北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党中央委員会副部長は27日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の議長声明に盛り込まれた「韓半島(朝鮮半島)の完全な非核化」という表現に反発し、北朝鮮の核能力は「一瞬の停滞もなく絶えず更新されるであろう」と主張した。先月、主要7カ国(G7)の非核化声明に対抗して談話を発表した金氏が約1カ月ぶりに再び前面に立ち、北朝鮮の「事実上の核保有国」としての地位を固めようとしているとの見方が出ている。
金副部長はこの日、朝鮮中央通信を通じて発表した談話で、ARF議長声明について「何らかの『朝鮮半島の完全な非核化』をうんぬんする途方もない議長声明」と非難した。
さらに「朝鮮民主主義人民共和国の憲法を無視し、それに反して米国が音頭を取る『非核化』うんぬんに同調したフォーラムの露骨な敵対的態度に強い不満を表す」とした上で、「それを最も厳正な修辞的表現で断固と糾弾、排撃する」と主張した。
金副部長は「『「朝鮮半島の非核化』にいまだ執着するのは、戦略的思考と論理の失敗であり、愚昧で馬鹿げた妄想の現れ」と述べ、「いかなる外部勢力の修辞や『希望』によって現況が変わるようなことは絶対にないであろう」として、国際社会の非核化要求を改めて一蹴した。
また、「核抑止力が国家主権の究極的な盾」であり、「責任ある核保有国としての朝鮮民主主義人民共和国の位置と存在意義は最終的かつ不可逆的である」という従来の主張も繰り返した。
金副部長が問題視したARF議長声明は、フィリピン・マニラで韓国、米国、中国、日本、ロシアなど27カ国の閣僚級が出席して開かれた会議の成果文書として、25日に公表された。
声明は、国連安全保障理事会決議に違反する北朝鮮の核・ミサイル開発について「地域の平和と安定を脅かす憂慮すべき状況」と規定し、関連決議の完全な履行と、平和的方法による「韓半島の完全な非核化」を求めた。
今年のARF議長声明では、「完全な非核化(CD=Complete Denuclearization)」との表現が昨年に続き2年連続で採用された。これは、2022~2024年に使用されていた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」から一歩後退した表現だとの指摘もある。
北朝鮮は昨年に続き、今年もARF会議を欠席した。今後も北朝鮮は、自国の非核化自体を議題としないことなどを条件に、ARFへの参加を模索するとの見方が出ている。
金副部長は先月18日にも、主要7カ国(G7)首脳会議が「北朝鮮の完全な非核化」への意思を改めて確認した際、談話を発表した。当時、「核保有は必ず固守すべきわれわれの核心利益であり、『非核化』は絶対に越えられない不退の線である」と主張していた。北朝鮮の核保有は交渉の対象ではないという立場を繰り返し示す狙いがあるとみられる。
ただ、北朝鮮は金副部長の談話を対外向けメディアの朝鮮中央通信でのみ発表し、国内向けの機関紙・労働新聞には掲載しなかった。
◇再び中心に立ったジュエ氏…「4代世襲を宣伝する効果狙う」
同日付の労働新聞は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、韓国戦争(朝鮮戦争)休戦協定締結73周年に当たる「戦勝節」の前日である26日、妻の李雪主(イ・ソルジュ)夫人、娘のジュエ氏とともに祖国解放戦争参戦烈士墓を参拝したと報じた。公開された写真には、ジュエ氏が金委員長と李夫人の中央に立ち、献花して参拝する様子が写っていた。
慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は、「国家的な政治行事でジュエ氏を構図の中心に配置したのは、有力な後継者としての地位を内外に印象付ける狙いがある」とし、「戦勝節と祖国解放戦争参戦烈士墓という象徴的な場で、金委員長とジュエ氏がともに献花したことは、革命事業と反米・自主闘争の血統が4代に受け継がれるという宣伝効果を狙ったものだ」と分析した。
2026/07/27 14:58
https://japanese.joins.com/JArticle/352618