高価なパトリオットが不足すると…米国が大量生産した「5000ドル武器」の正体

投稿者: | 2026年8月25日

米国と欧州を中心に1機あたり数百万ウォンの低価格迎撃ドローンの開発・量産競争が本格化している。イランとロシアが戦争でイラン製ドローン「シャヘド」を大量投入したことで、パトリオットなど高価な防空兵器に依存してきた従来の迎撃体制が限界に直面したからだ。

23日(現地時間)の米ニューヨークタイムズ(NYT)によると、米フロリダ州の防衛スタートアップ企業「Powerus」は、今年から低価格の迎撃ドローン「ガーディアン」の量産を始めている。ガーディアンは最高時速200マイル(約322キロ)で飛行しながら時速約180キロの「シャヘド136」ドローンを迎撃するよう設計されたドローンで、1機あたりの価格は約5000ドル(約80万円)。ロシア軍のシャヘドを相手に効果を実証したウクライナの技術を基に開発され、今年6月にはウクライナのポルタヴァで迎撃試験も行った。現在ガーディアンの月間生産量は約3000機だ。Powerusは「2027年半ばまでに世界全体の月間生産量を約1万5000機まで増やすことが目標」と明らかにした。

 先月からはイランのドローン攻撃を集中的に受けたアラブ首長国連邦(UAE)の現地工場でもガーディアンの生産を開始した。需要のある地域の従来の生産施設を活用することが迅速に生産量を確保する上で有利と判断したからだ。イランは今年2月の戦争勃発後、約6カ月間でUAEにシャヘドを含むドローンを2200機以上発射し、中東地域への大規模な空爆を続けてきた。

別の米防衛スタートアップ企業、カリフォルニア州の「ネロス」も、基本型価格がガーディアンと同じ約5000ドルの迎撃ドローン「バンディット(Bandit)」を開発している。ただ、バンディットはまだ量産前の開発段階にある。

米防衛企業によるこうした動きは、兵器の生産速度を高め、サプライチェーンを拡大しようとするトランプ米政権の方針とも一致している。トランプ大統領は今年1月、大統領令を通じて、米防衛産業の生産能力拡大と納期短縮を促した。イラン戦争とウクライナ戦争で安価なドローンが大量投入される中、現在のようにパトリオットのような高価で製造に時間がかかる迎撃ミサイルを中心に対応していては長期的に持ちこたえるのは難しいとの判断が背景にあるとみられる。

シャヘド1機の価格は約4万ドルだ。一方、米軍が運用するパトリオットPAC-3 MSEは1発あたりの価格が約400万ドルという。シャヘド1機を撃墜するために100倍も高価な迎撃ミサイルを使用することになる。

問題は価格だけではない。PAC-3は高度な誘導装置や推進システムなど、複雑な部品が組み込まれた高性能迎撃ミサイルであるため、短期間で生産量を大幅に増やすのも難しい。イランとロシアが低価格のドローンを戦場に迅速かつ大量に投入している状況で、パトリオットなど従来の高価な迎撃ミサイルだけでは対応が難しい理由だ。

こうした状況の中、米国以外の国々も低価格の迎撃ドローンの開発競争に相次いで参入している。米ウォールストリートジャーナル(WSJ)の昨年11月に報道によると、スウェーデンの防衛スタートアップ企業「ノルディック・エア・ディフェンス」は1機あたり約5000ドルの低価格迎撃ドローン「クルーガー100」を開発している。年内に納入を開始することを目標としている。

ウクライナは超低価格の迎撃ドローンをすでに実戦配備している。ロイター通信の今年4月の報道によると、ウクライナは約1500ドル未満の迎撃ドローンを開発し、実戦運用している。ロイターは当時の報道で「ウクライナ軍がハルキウ地域で運用している迎撃ドローンは数千ドルにすぎず、最も安いモデルは1500ドルにもならない」と伝えた。

日本のドローン企業もウクライナの防衛スタートアップ企業と提携し、超低価格の迎撃ドローン市場に参入した。日本の「テラドローン」は今年6月、ウクライナの迎撃ドローン企業「アメイジング・ドローンズ」の株式50%を取得して子会社化した。両社が協力して開発した短距離・迅速対応型の迎撃ドローン「Terra A1」はウクライナで実際の作戦に投入されていて、1機あたりの価格は約2526ドル。

2026/08/25 08:46
https://japanese.joins.com/JArticle/354012

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