カップラーメンの提供も中止させる「晴天乱気流」…韓半島の上空が最も危険

投稿者: | 2025年8月12日

夏の休暇シーズンを迎え、空港を訪れる海外旅行者が急増している中、「飛行機に乗るのが怖い」と感じる人が増えている。乱気流によって飛行機が激しく揺れるケースが頻発しているためだ。

昨年、11の韓国籍航空会社が国土交通部に報告した乱気流発生件数は合計2万7896件で、1年前(2万575件)より35.6%増加した。航空便1便あたりの乱気流件数も2022年の0.044件から昨年は0.052件へと増え、2019年(0.027件)と比較すると5年間で約2倍に急増している。

 乱気流による航空事故も増加傾向にある。国際民間航空機関(ICAO)によると、昨年世界で発生した94件の航空事故のうち、乱気流関連の事故は32%(30件)を占めた。先月には、米国発のデルタ航空機が激しい乱気流に遭遇し、乗客および乗務員25人が負傷し、緊急着陸後に病院へ搬送された。

乱気流による安全事故のリスクが高まる中、航空会社も対応に追われている。大韓航空は昨年8月から、乱気流の危険を理由にエコノミークラスでのカップラーメンの提供を中止した。また、アシアナ航空も熱い飲み物の提供を停止している。

乱気流の増加の主な原因として、気候変動が指摘されている。乱気流は発生原因によって「晴天乱気流(CAT)」「山岳波乱気流」「対流雲乱気流」の3つに大別される。

この中で、晴れた空に突然発生する「晴天乱気流」は、韓半島(朝鮮半島)周辺の上空が最も危険な地域とされている。晴天乱気流は、強いジェット気流によって引き起こされるが、地球温暖化の影響で東アジア上空のジェット気流が強まっているためだ。

ソウル大学地球環境科学部のキム・ジョンフン教授の研究チームが1979年から2019年までの世界の晴天乱気流発生頻度を分析した結果、東太平洋や北西大西洋よりも、東アジアでジェット気流および晴天乱気流の増加傾向が顕著であることが明らかになった。

キム教授は「温暖化により、熱帯地域の対流圏(高度10キロ以下)が熱くなり、北極の成層圏は逆に冷たくなったことで、両者の境界で温度差が生じ、ジェット気流が強まっている」とし、「このジェット気流が強まる地域が、ちょうど韓国から日本を経て米国に向かう航空路と重なるため、今後晴天乱気流がさらに増えると予想される」と語った。

また、東南アジアなど熱帯地域では「対流雲乱気流」が最も増加している。晴天乱気流が数十分間揺れるのに対し、対流雲乱気流は前触れもなく数秒以内に非常に強い揺れが発生するため、予測が難しくより危険だ。

昨年5月には、シンガポール航空機がミャンマーの上空で対流雲乱気流に遭遇し、1人が死亡、機内は一瞬で大混乱となった。このため、東南アジア地域を通過する際には、突発的な乱気流に備えてシートベルトを常時着用するのが望ましい。

キム教授は「最近では、晴天乱気流を12時間前に予測し、航空路を調整する技術も発達している」としつつも、「予測が難しい突発的な乱気流が今後増える見込みであり、AI技術を活用して予測・対応能力を高めていく必要がある」と述べた。

2025/08/12 11:49
https://japanese.joins.com/JArticle/337474

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