李在明(イ・ジェミョン)大統領が祖国革新党の曺国(チョ・グク)前代表ら与党に近い多くの人物に恩赦を施したことを受け、共に民主党内からは金湧(キム・ヨン)元民主研究院副院長や李華泳(イ・ファヨン)元京畿道副知事の釈放と無罪を主張する声が上がり始めた。李在明大統領の側近である2人は不法な政治資金のやり取りや北朝鮮への送金などで1審2審の懲役刑と大法院(最高裁判所に相当)での有罪が確定したが、今回光復節恩赦の対象にはならなかったため、共に民主党が2人の恩赦を主張しているのだ。司法に対する露骨な圧力であり、今後の恩赦を見据えた事前の準備と指摘せざるを得ない。
共に民主党は2人をめぐる事件を今も「捏造(ねつぞう)」と主張しているが、サンバンウルの役員らは資金の持ち出しを全て認めており、サンバンウルのキム・ソンテ元会長は北朝鮮に送金した際に北朝鮮関係者から受け取った「領収書」まで提出した。金湧元副院長をめぐる事件では「資金の受け渡し役」が予備選挙の資金を受け取った時期とその額を記載した自筆のメモも押収されている。これらの証拠をどうやって捏造したというのか。捏造であるなら裁判所は有罪を宣告しただろうか。逆に金湧元副院長に近い人物らがアリバイ工作を行った事実まで発覚し身柄を拘束されたが、共に民主党はこれには言及せず今も検察の捏造と主張している。
曺国元代表は15日に出所した際、自らの釈放について「検察独裁終息の象徴の一つとして記録されるだろう」と述べた。曺国元代表による入試不正は韓国社会において大きな不公正であり不義と認識されているが、この点についてこれまで一切謝罪などはしなかった。出所当日も反省の言葉は語らず、逆に自らを司法の被害者と主張したのだ。
旧日本軍慰安婦被害女性のための寄付金を横領した罪などで有罪が確定した尹美香(ユン・ミヒャン)元議員も今回恩赦となったが、謝罪の言葉などは一切口にしなかった。尹美香元議員は「慰安婦問題解決への道となった女性たちを忘れない」として女性らの過去の発言を紹介したが、横領を告発した李竜洙(イ・ヨンス)さんには言及しなかった。国民の共感が得られないまま仲間たちを救った李在明大統領の「政治恩赦」が、これらのあり得ない事態を引き起こしている。
2025/08/16 09:40
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