ソフトバンクグループが米半導体企業インテルに20億ドル(約2952億円)を出資する。深刻な経営難に陥っているインテルに対し米国政府が株式取得まで検討している中で、ソフトバンクが足並みをそろえて救援投手に出たと分析される。米国に大規模人工知能(AI)インフラを建設するスターゲートプロジェクトに参加しているソフトバンクはインテルを通じてAIデータセンターに必要な半導体生産施設も確保すると予想される。
ソフトバンクグループは19日、20億ドルを出資してインテルの株式約2%を取得する契約を締結したと発表した。市場情報会社LSEGによると、ソフトバンクグループは株式取得でインテルの6番目の大株主となる。
今回の出資に対しソフトバンクグループは「インテルとソフトバンクグループが米国で先端技術、半導体イノベーションへの投資を一層強化している中で行われるもの。デジタルトランスフォーメーション、クラウドコンピューティング、次世代インフラを支える先端技術へのアクセスを加速させ、AI革命の実現を目指す長期ビジョンをさらに推進するもの」と説明した。
ソフトバンクはトランプ大統領が就任直後に発表した5000億ドル規模のAIインフラ プロジェクト「スターゲート」を主導している。スターゲートはソフトバンク、オープンAI、オラクルの3社が組み2029年まで米国内にAIデータセンターインフラを建設するプロジェクトだ。ソフトバンクの孫正義会長が議長を務め財務と戦略を総括する。ホワイトハウスでの発表で孫会長はスターゲートプロジェクトが新たな「黄金時代」の始まりだと強調した。
ソフトバンクはスターゲートプロジェクトに向けた製造施設を確保中だ。18日には委託生産製造会社のフォックスコンと組んで米オハイオ州でAIサーバー装備を生産すると発表した。フォックスコンが運営するオハイオ州の電気自動車工場を3億7500万ドルで買収し、今後これをAIサーバー生産施設に転換していくという。
インテルへの投資もやはりスターゲートプロジェクトに向けた製造インフラ確保と分析される。インテルのファウンドリー(半導体委託生産)は現在、これといった顧客を見つけられず苦境に立たされている。スターゲートプロジェクトに必要な半導体製造をインテルの米ファウンドリー工場に任せるならば、インテルは顧客を確保でき、米国の産業を復興させようとするプロジェクトの趣旨にも合う。孫会長は「半導体はあらゆる産業の基盤。インテルは50年以上にわたり信頼されるイノベーションのリーダーであり、今回の戦略的投資はインテルが重要な役割を果たす先進的な半導体製造と供給が米国内でより発展していくことを期待して行うもの」と明らかにした。
日本経済新聞は今回の出資に対し「米政権と歩調を合わせ、米国の先端半導体の生産を後押しする」と解釈した。トランプ政権は経営難に陥るインテルの株式を10%取得することを議論しているという。米商務省は昨年11月、インテルに最大78億6500万ドルの補助金を支給すると発表している。これとは別にインテルは軍用半導体生産に向け30億ドルの補助金を別に受ける予定だ。連邦政府はCHIPS法に基づきインテルに提供された補助金の一部か全部を出資に転換することを検討しているという。今回の措置が実行されれば米国政府がインテルの筆頭株主になる可能性がある。
2025/08/20 07:30
https://japanese.joins.com/JArticle/337757