韓国政府・与党「尹錫悦政権が米原発企業と不平等契約」 条項の意味を専門家に聞いてみた

投稿者: | 2025年8月23日

 韓国が今年6月に本契約を締結したチェコのドコバニ原発新規建設事業を受注するため、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が今年1月に米原発企業ウエスチングハウスと不平等な契約を結んだとする議論が起きている。

 韓国電力公社(韓電)と韓国水力原子力(韓水原)が今後50年間、原発を1基を輸出するたびに、ウエスチングハウスに技術使用料1億7500万ドルを支払い、6億5000万ドル相当の機材を購入するという契約条項が問題視されている。韓水原が北米、欧州連合(EU)域内、英国、ウクライナ、日本などで新規原発事業を受注しないと合意したこと、次世代原発と呼ばれる小型モジュール原発(SMR)を輸出する際には米国側の承認を受けなければならないことなども批判を受けている。「屈辱的契約」とまで呼ばれるこれら条項が意味するところを専門家に聞いた。

(1)原発1基を輸出するたびに計8億ドル?

 ウエスチングハウスが商業用原子炉の重要技術を握っているためだ。ただ、全額現金で支払うのではなく、大半は関連部品の供給を受け、一部はロイヤルティー(権利料)として支払う方法だ。韓国の原発産業は1971年に古里原発1号機を建造したのが始まりだが、当時ウエスチングハウスが原発を建設するなど韓国は当初から同社の技術に多く依存していた。ウエスチングハウスは韓国がアラブ首長国連邦(UAE)とチェコに輸出する原発モデルにも自分たちの技術が使われていると主張する。

 原発技術の宗主国である米国は、自国の技術が含まれた原子力関連製品や技術を第三国に輸出する際、必ず米国政府の事前許可を受けることを求めている。重要技術を保有しているウエスチングハウスの同意なしには、韓国単独での海外輸出が難しいことを意味する。韓国原発輸出第1号である2009年のUAEバラカ原発事業でも、計測制御システム(MMIS)や冷却材ポンプなど、ウエスチングハウスの技術を使った分野は事前に同意を得ており、関連部品の供給を受けた。当時ウエスチングハウスから購入した機材の規模は総事業費(186億ドル)の10%前後とされる。

 チェコ原発の場合は、韓水原と韓国政府がウエスチングハウスの知的財産権を回避できるレベルの独自技術を備えていると判断し、単独受注に乗り出したが、同社と紛争になったケースだ。法的紛争となれば、受注が約束なしに先送りされたり、今後巨額を賠償が生じたりする可能性も排除できなかった。

 チェコ・ドコバニ原発1基の事業費が13兆ウォン(約1兆3700億円)である点を考慮すれば、ウエスチングハウスに支払うことになる原発1基当たりの技術使用料2400億ウォンは事業費全体の1.85%だ。 ウエスチングハウスから9000億ウォン分の機材を買わなければならず、収益性が低下する側面はあるが、重要技術を持たない韓国としては避けられない選択だったと言える。産業通商資源部の金正官(キム・ジョングァン)長官や韓水原の黄柱鎬(ファン・ジュホ)社長が共通して「契約は正常」と語るのはそのためだ。

 今後50年間の輸出に適用することにした点は行き過ぎがあるとの指摘だ。ただ、ウエスチングハウスの技術を使用しない独自モデルを開発すれば、「50年条項」や技術料支払いなどを避けることができる。

2025/08/23 11:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/08/23/2025082380007.html

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