今回の李大統領の訪米には魏安保室長、金容範(キム・ヨンボム)政策室長、姜勲植(カン・フンシク)秘書室長が随行し、異例にも大統領室「3室長」が一斉に国内を空けることになった。大統領が海外を訪問する間は秘書室長が国内に残って状況を管理してきた慣例が崩れたのだ。姜秘書室長の任務については具体的な言及がなかったが、韓米首脳会談に総力を挙げるいう意味と解釈される。
趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官が日本を訪れず急いで米国に向かうことをめぐっては「もともと外交長官は大統領の出発より先に訪米する計画だった。最後に(双方の交渉内容を)点検して調整するためのもので、急に決まった日程ではない」と魏室長は説明した。また、「農産物交渉に問題が生じて趙長官が急いで米国に行くのでは」という記者の質問には「それは違う」と断言した。しかし政界の一部では、韓米首脳会談に関連して趙長官と姜室長の動きが異例であるだけに、首脳会談の議題調整など準備の過程で韓米間の隔たりが浮き彫りになったのではという見方も出ている。
米国現地の雰囲気も慌ただしい。首脳会談を控えて会談の最後の準備が緊迫した雰囲気の中で進められている。金正官産業通商資源部長官は22日、米国に向けて出国する際、「今回の首脳会談が我々の国益につながるようにする」とし「最後の1分1秒まで我々の国益が貫徹されるよう最善を尽くす」と述べた。金長官はカウンターパートの米国のラトニック商務長官、 ライト・エネルギー長官らと会い、両国の産業協力案や対米投資など韓米首脳会談の主な議題を事前調整する計画だ。
20日に米国に先に到着した呂翰九(ヨ・ハング)産業通商資源部通商交渉本部長は21日、グリア米通商代表部(USTR)代表と会った。同じく首脳会談で議論されると予想される韓国の対米投資および市場開放をめぐる事前調整作業があったという。韓米間で妥結した通商交渉のフレームワークの具体化と品目別関税の後続交渉も議論したとみられる。
米ワシントンで開かれた韓米経済研究所(KEI)セミナーでは韓米首脳会談に対する助言が続いた。スコット・スナイダー韓米経済研究所所長は、「トランプ大統領が間違った防衛費の数値に言及する場合、李大統領はその場で対応するのがよいのか」という質問に対し、「会談が終わった後、双方の実務陣が訂正するのが望ましい」と答えた。アーレン・キムKEI学術部長は「トランプ大統領が李大統領に中国問題について尋ねる可能性が十分にある。李大統領はこれに備えておくのがよい」と話した。
◆特使団は24日に訪中…習近平主席と会う日程なし
李大統領は24日に中国に特使団を送り、中国の習近平国家主席に対する親書を伝達する計画だ。韓米首脳会談を控え、韓中関係も軽視しないという意志の表明という分析が出ている。しかし特使団が習近平国家主席と会う日程はないという。大統領室の姜由楨(カン・ユジョン)報道官は「中国特使団は両国の友好増進案に関する李大統領のメッセージを伝達する」と説明した。
2025/08/23 11:48
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