米国発の関税、不確実性再び高まる…「長期化すれば韓国内の産業構造に変化も」

投稿者: | 2026年2月2日

 米国のドナルド・トランプ大統領の「関税25%再引き上げ」の脅しで、米国発の通商不確実性が再び高まり、韓国産業界では緊張感が走っている。韓国政府がこれを阻止するために、米国政府と議会を相手に説得に総力を挙げるなか、関税政策の不確実性が長期化する場合、韓国内の投資・生産が減少するなど、国内の産業構造の転換が起きる可能性があるとする懸念も出てくる。

 差し迫った危機に直面しているのは自動車業界だ。米国市場で競合する日本や欧州連合(EU)の関税は15%で維持され、韓国製自動車にのみ25%の関税が課される場合、価格競争力の低下を招くことは避けられないためだ。ナイス信用評価は、この場合、現代自動車グループが負担する関税費用は、年間5兆3000億ウォン(約5600億円)から8兆4000億ウォン(8900億円)と約58%増えると試算した。

 これに先立ち昨年4月、米国が韓国製自動車に25%の関税を課したことで、現代自動車グループは第2~第3四半期だけで4兆6000億ウォン(4900億円)を超える損失が発生したことがある。ハナ証券リサーチセンターのソン・ソンジェ研究員は「自動車に対する品目関税が25%に戻る場合、現代自動車・起亜の関税費用は、さらに約4兆3000億ウォン(4600億円)増える可能性がある」として、「これは、今年の連結営業利益を18%減少させる可能性があることを意味する」と説明した。

 このような状況のもとで、現代自動車は現地投資の拡大に拍車をかけている。現代自動車のホセ・ムニョス社長は先月31日(現地時間)付のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、「(対米投資の)速度を上げることに全力を挙げている」としたうえで、「投資効果を得るためには、早ければ早いほどいい」と述べた。ムニョス社長は関税の不確実性が再び高まっている状況について、トランプ大統領が現代自動車の対米投資の意向を理解していると信じていると明言した。昨年、現代自動車は今後4年間で米国に260億ドル(約4兆円)を投資する計画を発表したことがある。

 相互関税に加え、家電製品に使用される鉄鋼の品目関税50%を別途支払っている企業の負担も増えざるを得ない。米国の関税による影響に、中国企業の低価格攻勢、世界的な家電需要の鈍化などのさまざまな要因が重なった結果、サムソン電子の映像ディスプレイ(VD)・生活家電(DA)事業部は昨年第4四半期に約6000億ウォン(640億円)規模の営業損失を計上した。

 関税をめぐる不確実性が長期化する場合、韓国内の産業構造が変わる結果につながる可能性があるとする見方も出ている。これに先立ち、韓国銀行は、昨年8月末に発表した報告書『米国の関税政策が韓国経済に及ぼす影響』で、「関税にともなう現地投資の拡大の流れと相まって、国内産業の空洞化を引き起こす危険性があり、その結果、雇用が萎縮して人材流出までも生じる可能性がある」として、懸念を示した。

 業界からは「いったんは様子をみるべき」とする雰囲気が感じられる。両国政府が数カ月かけて合意した事項であるうえ、産業通商部のキム・ジョングァン長官とヨ・ハング通商交渉本部長が米国を訪問し、関連協議を継続しているためだ。半導体業界のある関係者は「関税措置については長引いている問題であるだけに、モニタリングを継続し、きめ細かく対応するようにしている」としたうえで、「(米国と合意したとおりに)対米投資が履行される場合、合意した関税率が適用されると考えている」と述べた。

 これに先立ち、トランプ大統領は先月26日(現地時間)、韓国議会の対米投資特別法の成立の遅れを問題視し、韓国製自動車・木材・医薬品などの韓国製品に適用される品目関税と相互関税(国別関税)を、昨年10月に合意した通商協定以前の水準である25%に再び引き上げると宣言した。米国のハワード・ラトニック商務長官は同月16日、「半導体企業が米国に投資しない場合、100%の関税に直面することになる」と警告した。

2026/02/01 21:37
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/55343.html

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