【コラム】高市首相の「強い日本」が呼ぶ変化=韓国

投稿者: | 2026年2月13日

衆議院選挙中だった先週、東京と横浜、横須賀一帯を訪れた。大学の教授や大学生と会い、店内などで市民と対話し、選挙の雰囲気を把握した。東京に行く前はユーチューブで演説の現場をチェックしたが、高市早苗首相の圧勝を直感した。高市首相は確信に満ちたビジョンの提示で有権者を引きつけた。午前3時に出勤して批判を受けたりもしたが、国のために献身する姿勢は典型的なカリスマリーダーシップを見せた。政界に進出した1993年以降の遊説経験に放送キャスターの経歴が加わり、心に響く力のあるメッセージを発信した。

今回の総選挙では高市首相が行くところには数千人が集まった。聴衆を没頭させた動力は抽象的な理念でなく実感できる公約だった。「国民の生活を守り、医療・福祉・教育・雇用環境を改善し、日本列島を守る」という約束だ。当然のように思われる公約のようだが、今の日本でこれほどの民生イシューはない。0%台の低成長が長期化する中、円安で輸入物価が上昇し、生活の不安が累積しているからだ。

 高市首相はこの不安を「強く豊かな日本」というスローガンで反転させている。「今やらないと間に合わない」という呼び掛けは国家再設計宣言だった。その結果、自民党は316議席という圧勝を収めた。日本の有権者が選択したのは自民党でなく高市首相だ。「高市のリーダーシップがあってこそ日本が長い沈滞から抜け出すことができる」という信頼が生じたのだ。

なら「強い日本」はどのような変化を予告しているのか。日本は「失われた30年」間、絶えず出口を模索してきた。1990年のバブル崩壊以降、経済は構造的低成長に入った。1996年に橋本龍太郎内閣は行政改革と金融ビッグバンを推進し、構造調整に着手した。2001年に就任した小泉純一郎首相は「聖域なき構造改革」を掲げ、不良債権整理と郵政民営化を断行した。声は大きかったが、成長モメンタムは制限的だった。2012年に発足した安倍晋三政権は金融緩和・拡張財政・構造改革という「3本の矢」でアベノミクスを推進した。株価上昇と雇用改善などの成果があったが、潜在成長率を引き上げるのには限界があった。「サナエノミクス」と呼ばれる高市首相の政策はアベノミクスの延長線に立っている。しかし決定的な違いがある。過去の財政支出が景気浮揚のための土木・インフラ中心だったなら、今回は戦略産業中心の国家主導投資に傍点が打たれている。日本政府は半導体、人工知能(AI)、量子技術、次世代バッテリー、防衛産業融合など17の戦略分野を選定し、大規模な財政投入を予告した。これは国家債務ばかりを膨らませる短期浮揚策でなく産業構造を改造する試みだ。韓国と台湾、中国に奪われたり追い越されたりした半導体・バッテリー・防衛産業など高付加価値分野の産業競争力を高めるという計算だ。「中国製造2025」と「米国を再び偉大に(MAGA)」の日本版先端産業戦略が本格的に稼働するということだ。

自民党は今回の総選挙で衆議院465議席のうち3分の2を超える議席を占めた。長期政権の道を開いただけでなく、参議院が法案を否決しても再議決が可能であり絶対的な権力となった。高市首相はこれを基盤に果敢な財政投資を進める。17の先端産業を全国に配分し、地域別クラスターを育成する。東京中心から脱離して日本列島全体に活力を吹き込むという戦略だ。

安全保障の側面でも変化は避けられないとみられる。米国が同盟国の防衛負担拡大を要求する基調に合わせて日本は安保法制整備と防衛力増強に速度を出している。韓国の立場では日本と協力するべきだが、軍事と産業の双方に使われる半導体・造船・防衛産業分野で競争が避けられず、軍事的緊張が高まる可能性もある。「強い日本」の2つの顔だ。

結局、質問は我々に返ってくる。日本が強力なリーダーシップと会って国民が団結して強い日本を作れば、韓国は何をするべきかという問いに我々は答えなければいけない。韓国は今、成長鈍化と産業競争力低下の懸念の中で、政策の一貫性を維持するのも容易でない環境にある。国際通貨基金(IMF)の見通しによると、2020年に世界9位まで上がった韓国の経済順位は今年15位まで落ちると推定される。日本が復活に進む中で、韓国は沈滞のどん底に落ちる状況ではないだろうか。その間、もう学ぶものがないと言ってきた日本が目覚める可能性が高まっている。高市首相の政策を見守りながら、韓国もまた気を引き締めるべき時がきた。

キム・ドンホ/論説委員

2026/02/13 13:47
https://japanese.joins.com/JArticle/344841

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)