共に民主党の禁句「チッ」【萬物相】

投稿者: | 2026年2月23日

 中国の故・毛沢東主席は赤い太陽と呼ばれた。中国共産党は太陽に赤く染まった東の空を「東方紅」として偶像化した。そのため「太陽がまぶしくて目を開けられない」という言葉は「毛沢東に対する不満」と受け取られ口にするのがタブーとされた。日本でも天皇を太陽に比喩するため、「日が沈む」という言葉は天皇の退位を連想することからタブーだ。故・金日成(キム・イルソン)主席の誕生日も「太陽節」のため、北朝鮮では一時サングラスを着ければ「太陽を遮る反動分子」とされた時期がある。

 権力者の外見を侮辱する言葉もタブーだ。スターリンの身長は公式記録では169センチだが、実際は163センチだった。そのため旧ソ連では「小さい」という言葉を軽々しく使えない時期があった。中国で習近平国家主席に似ているとされる「くまのプーさん」は以前から検閲対象だった。人工知能ディープシークに「くまのプーさんと政治の関係」について質問しても回答しない。1980年代に韓国では当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領に配慮するためはげ頭のかつらは使えず、また「明るい」「頭が光っている」などと口にできなかった。大統領とよく似たあるタレントはテレビ出演が禁じられた。

 インターネットで本来とは全く違った意味で使われる言葉の一つが「チッタ(裂く、破る)」だ。通常は「紙を破る」のように使われるが、今は「舞台を圧倒した、素晴らしい」という意味で使われる。10年以上前のヒップホップ・オーディション「SHOW ME THE MONEY」でラッパーたちが「舞台を破った」と話したことから始まり、今は「強い印象を与えた」という意味で広く使用されている。米メジャーリーグの大谷翔平選手は「マンチンナム」と呼ばれる。「漫画を破って出てきた男」という意味だが、それだけ非現実的なキャラクターという意味だ。

 先日韓国与党・共に民主党のシンクタンクで副院長に指名された人物が辞任した。彼はある女性が最高委員に当選したことを祝う際に「今日の演説はチジョッタ(破れた)」と投稿し、これが問題になったという。ケッタル(李在明大統領の強硬支持者)たちは「彼はかつて李洛淵(イ・ナクヨン)グループだった」としてSNSに投稿されたこの言葉を問題視した。党では投稿を取り下げた理由を公式には明らかにしていないが、ある親李在明系議員はユーチューブ番組で「大統領を侮辱する表現は『チッ』だ。これは共に民主党では口にすることがタブーだ。私たちも普段は使わないようにしている」として怒りをあらわにした。

 「チッタ」を巡る問題は共に民主党だけにとどまらない。昨年あるメディアが「KOSPI(韓国総合株価指数)、天井をチジョッタ(破った)」という記事を掲載したところ、突然炎上した。このネット記事の見出しはその後「天井をトゥロッタ(突き破った)」となり、さらに「天井がトゥルリョッタ(突き破られた)」へと変わった。AI(人工知能)は「日常生活では問題ないが、政治的にはヘイト表現となる可能性があるので注意が必要」とアドバイスした。上記のシンクタンク副院長に配慮が足りなかったのは確かだが、共に民主党もあまりに神経質ではないか。

鄭佑相(チョン・ウサン)論説委員

2026/02/23 07:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/02/15/2026021580010.html

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