フランス・パリは、世界的に集会・デモが頻繁に行われる代表的な都市の一つだ。フランス語には「4人集まれば革命が起きる(Quand il y a quatre Français, il y a une révolution)」という慣用句があるほどだ。
ところが、パリ以上に集会・デモが多いのがソウルだ。韓国警察庁によると、昨年ソウルで行われた集会・デモのうち、警察が動員された公式の集会・デモは1万9800件だった。
◇年間の集会・デモ件数、東京500件に対しソウルは2万件
フランス内務省国内安全統計局(SSMSI)によると、同期間にパリで行われたデモ・集会は約5200件で、ソウルの約26.3%だった。米ニューヨーク(4500件)、英国ロンドン(4100件)も同程度だった。平均すると、ニューヨークやロンドンでデモ・集会が1回開かれる間に、ソウル都心では約5回のデモ・集会が行われていたことになる。日本の警察庁によると、東京で昨年行われたデモ・集会件数は年間約500件に過ぎなかった。
2024年末の戒厳事態により、都心で集会が集中的に開かれた影響もある。しかし2020年以降、ソウルでは毎年平均1万件以上の集会が開かれている。世界の主要都市の中で、ソウルの集会件数が突出して多い理由として、専門家らは中央集権的構造を挙げる。青瓦台(チョンワデ)と国会、政府ソウル庁舎はもちろん、主要大企業の本社も光化門(クァンファムン)や汝矣島(ヨイド)に密集しており、全国規模のデモ・集会がソウルという狭い空間に集中していると分析している。
朝鮮大学警察行政学科のイ・フン教授は「全国各地の人々は、自分たちの声が最も届きやすい意思決定者の前でデモ・集会を開こうとする」とし、「地方の問題であっても、バスをチャーターして光化門のようなソウル都心でデモを行うほうが、象徴性やメディアの注目度、費用対効果の面で有利な場合が多い」と説明した。
◇「蓄積した葛藤が集会という形で噴出」
韓国社会に蓄積した葛藤を示しているとの分析も出ている。東国(トングク)大学警察行政学科の李潤鎬(イ・ユンホ)名誉教授は「韓国社会は政治、宗教、人種、労使、階層、文化、理念などさまざまな葛藤要因を抱えているが、葛藤を自ら解決する能力や制度的基盤が不足しているため、こうした葛藤がデモ・集会という形で噴出している」と分析した。
情報技術(IT)インフラの発達が、集会の組織化や拡散速度を高めたとの分析もある。ソーシャルメディアやオンラインコミュニティを通じ、時間と場所をリアルタイムで共有できるようになったことで、特定の問題が発生すれば、主催側がスマートフォンだけでも迅速に集会を組織できる環境が整ったという。
これとともに、2016~2017年の「ろうそく集会」などを経て、ソウル・光化門広場一帯がデモ・集会の「拠点」として定着した点も影響を与えた。集会は社会的な意思疎通の正当な手段だという認識が強まり、これに伴い、市民が街頭に出ることへの心理的抵抗感が、東京など他の大都市より相対的に低いとの分析だ。
極東大学警察安全学科のソン・ヨンウン教授は「東京では集会を、社会秩序を乱したり他人に被害を与えたりする可能性のある行為と見なす傾向が強い一方、ソウルでは集会が恋人や友人と一緒に参加する一種のイベントのような性格を帯びる場合が多い」とし、「こうした雰囲気も、ソウルの集会・デモ増加に影響を与えた要因の一つだ」と説明した。
2026/05/06 14:08
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