【コラム】大きくなる円安固定化の懸念…「1ドル=200円」最悪のシナリオまで(1)

投稿者: | 2026年7月6日

1ドル=162.66円。一瞬40年前の数字と思えるがそうではない。先月30日にニューヨーク市場で記録したドル円為替相場だ。1986年以降で最もドルが高い。「超円安」だ。円の時計の針が40年前に戻り、安全資産としての円の地位も揺らいでいる。

40年前に円の運命を変えたのは1985年9月22日の「プラザ合意」だ。「双子の赤字」に苦しめられた米国がドルを下げ日本円とドイツマルクなど主要通貨の価値を人為的に引き上げた。プラザ合意前に1ドル=250円水準だった円相場は1年後の1986年9月には150円まで上昇し、1987年末には120円台まで跳ね上がった。円高の始まりだ。

 円高で輸出企業の打撃が大きくなると日本政府は政策金利を下げるなど金融緩和政策を広げた。増えた流動性は不動産と証券市場に集まりバブルを育てた。祭りは長く続かなかった。1990年代初めにバブルは弾け、日本経済は低金利・低物価・低成長に苦しめられて「失われた30年」に陥った。それでも安全資産としての円の地位は揺らがなかった。

◇円の実質価値3分の1水準に下落

だが安全資産の円にもひびが入っている。円の価値は下落中だ。2022年からの4年間に対ドルで円の価値は30%以上落ちた。サムスン証券によると円の実質購買力を示す実質実効為替相場(NEER、2020年=100)は1995年4月の194.0から今年2月には66.3まで急落した。31年で円の実質価値が3分の1水準まで縮んだのだ。円を保有する魅力が落ちるという話だ。

日本経済の構造も円安を深めている。商品輸出から海外投資で金を稼ぐ国に変わったためだ。昨年の日本の経常収支は2165億ドルの黒字を記録した。262億ドルの貿易収支赤字にも2802億ドルの所得収支黒字で経常収支黒字を出した。だが海外再投資が増え所得収支黒字の一部が日本国内に還流せず円需要が減った。ここにエネルギーの95%以上を中東から輸入する構造によりイラン戦争後の国際原油価格急騰によりドル需要が増え円の価値を引き下げている。

サムスン証券のチョン・ソンテ研究員は「日本の投資増加率が低く製造業の労働生産性が早く改善される可能性も少ない上に高齢化の進展にともなう家計貯蓄率急落、日本金融市場内の外国人投資の割合拡大などで円の長期的劣勢と安全資産の特徴が弱まっている」と指摘した。日本の証券市場の外国人保有率は2010年の26.0%から昨年は32.4%に増加した。差益確定に出た外国人投資家のドル需要まで加わり円安圧力として作用している。

円の価値を引き下げるまた別の要因は過度な国の借金だ。世界的市場調査会社トレーディングエコノミクスによると、昨年末基準で日本の国内総生産(GDP)比の国の負債比率は251%に達する。今年の日本政府予算122兆円のうち25%ほどの31兆円を国債元利金償還と利子支払いに使わなければならない。ブルームバーグは「過度な国の債務が円に対する信頼を食い潰している」と伝えた。

2026/07/06 12:09
https://japanese.joins.com/JArticle/351585

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)