SKハイニックスは、米ナスダック上場で調達する40兆ウォン(約4.3兆円)の資金をもとに、AI時代のメモリ増設競争に本格参入する。メモリの供給不足が長期化するとの見通しの中で、大規模な生産能力(キャパ)の拡大に乗り出す。日本に半導体設備を建設しているマイクロンはもちろん、サムスン電子も龍仁の半導体クラスターの初生産時期を約2年早め、設備増設のスピード競争が本格化している。
SKハイニックスは、米現地時間の10日、米ナスダック市場に正式上場し、265億710万ドル(約40兆ウォン=約4.3兆円)規模の資金を調達した。米国株式預託証書(ADR)方式で米国証券取引所に上場した外国企業の中で史上最大規模であり、2014年に中国のアリババがニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場して調達した記録(250億ドル)を上回る数字だ。SKハイニックスは今回の上場にあたり、発行済株式総数の2.5%にあたる新株1,779万株を発行したが、現地機関投資家の需要予測を経て確定した米国株式預託証書の公募価格は、9日付けの韓国普通株式終値である1株あたり218万6千ウォンに対し、約3%高い1株あたり149ドルだった。SKハイニックスは、今回調達した投資金を、龍仁半導体クラスター第1期ファブの建設はもちろん、忠北清州の先端パッケージングファブの建設・施設拡大、極紫外線(EUV)露光装置の購入など、メモリ設備投資に主に使用する予定だ。代金の支払いは14日に行われる予定だ。
このような会社の決定には、メモリ供給不足が予想以上に長く続くという業界内外の見通しがある。SKグループのチェ・テウォン会長は10日(現地時間)、米国のCNBCとブルームバーグテレビとのインタビューで、「今後5年以内に生産能力を倍増させると言ったが、すべての顧客が『それでは足りず、もっと必要だ』と言っている」「(メモリ)需要は今後指数関数的に増加するため、数が多いほど良いということだ」と語った。SKハイニックスのクァク・ノジョン代表取締役社長も、メモリ需要が2030年以降も会社の生産能力を上回ると見込んでいる。増設のスピード自体が需要に追いついていないとの診断だ。SKハイニックスは米国への追加投資の可能性も示唆した。チェ会長は現在建設中の米国インディアナ州の先端パッケージング工場に加えて、「米国で適切な場所が見つかれば投資する」と語った。
競合他社も生産拡大を急いでいる。サムスン電子は最近、龍仁半導体クラスターの最初のファブ稼働時期を2029年に調整した。360兆ウォン(約39兆円)を投じて龍仁国家産業団地に設置される半導体ファブ6つのうち、第1期ファブの稼働目標時期は当初2030~2031年とされていたが、これを既存の計画から最大2年繰り上げることになる。サムスン電子とハイニックスは、湖南地域にもそれぞれ400兆ウォン(約43兆円)を投じてメモリ半導体ファブ4基を建設する計画だ。米マイクロンは、当初の投資規模を2,000億ドルから2,500億ドル(約40.4兆円)に拡大し、2035年までにDRAM生産量の40%を米国内で確保する計画を発表した。また、2028年下半期の稼働を目指し、日本の広島に1兆5,000億円を投資して次世代DRAMおよび高帯域幅メモリ(HBM)工場を建設する。中国のメモリ企業であるCXMTも今年下半期に上海に新工場を建設し、ウェハ生産量を倍増させる計画で、世界最大のファウンドリ企業である台湾のTSMCも対米投資額を増やし、米国にウェハ工場やパッケージ工場、研究開発(R&D)センターを建設すると発表している。
メモリ増設競争が加速しているのは、最近の半導体の超好況局面において、生産量の確保が市場支配力と直結する形で展開されているからだ。先端メモリ工場は着工から量産まで数年かかるため、投資のタイミングを逃すと急増する需要を奪われる可能性がある。ある業界関係者は「過去には技術格差から競争力が生まれたが、今は生産能力を備えなければ市場を先取りできない」と述べた。前日、キム・ヨンボム青瓦台政策室長も自身のフェイスブックに「AI時代の国家戦力の核心は技術と生産能力を共に育てることにある。国家が何よりも優先的に供給すべきは時間だ」とし、半導体のスピード競争を繰り返し強調した。
2026/07/12 17:10
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/56672.html