【コラム】強硬姿勢を強めるイラン、イスラエルは独自で戦争か(1)

投稿者: | 2026年8月11日

最大幅52海里(96.3キロ)、最小幅21海里(38.8キロ)、総延長90海里(166.6キロ)という狭くて短いホルムズ海峡をめぐり、12海里の領海という国際法の基準を根拠にイランとオマーンは互いに領有権を主張している。海峡の最も狭い場所が21海里であるため、ホルムズ海峡の通過は両国の領海を侵犯せずには不可能だが、国際経済に及ぼす海峡の重要性を考慮してイランとオマーンはこれまで船舶の安全な通航を保証してきた。しかし2月28日、米国とイスラエルが攻撃を開始すると、イランは3月1日から海峡を通過する船舶への攻撃を始め、3月5日からは海上保険が廃止されたことで、事実上、海峡通過は不可能となった。これに対し米国は4月13日から逆封鎖を始めた。ホルムズ海峡の封鎖を解除しなければ、イラン自身も海峡を通ってオマーン湾やアラビア海から出られないよう阻止したのだ。

◆ホルムズ通行交渉、妥結のめど立たず

 6月17日、米国とイランが終戦交渉のための覚書(MOU)に署名したことで、封鎖されていたホルムズ海峡がまた開通した。14条項からなる合意書のうち第4条と第5条がホルムズ海峡に関する条項だ。第4条では、覚書の締結と同時に米国が海上封鎖とすべての制裁を解除し、30日以内に海上封鎖を完全に終了すること、またイランは船舶の通航量を戦争前の水準に戻すことが定められた。第5条によると、イランは60日間の無償通航を保証し、「関連する国際法とホルムズ海峡沿岸国の主権的権利に合致するよう他のペルシャ湾沿岸国と協議し、ホルムズ海峡の今後の管理および海洋サービス体系を確定するためオマーンと対話を進める」という内容が含まれている。イランは海峡の管理および海洋サービスに関する主権を自国が握っていると考えている。

しかし、7月7日にイランが商船への攻撃を再開し、これに米国が応戦したことで、海峡はまた船舶が航行できないところとなった。イラン側は米国が合意書締結から2週間目以降、イランが指定した海上ルートではなくオマーン側の通航路に船舶を迂回させて約束を違反したため、商船への攻撃は正当だと主張している。もちろん米国側は、合意書にイランが指定した通航路を利用するべきという条項はなく、自由な通航を保証しているだけだと反論している。

◆サウジ皇太子の懸念で米国が攻撃取り消し

ホルムズ海峡を通過する原油と石油製品は一日あたり約2000万バレルで、これは全世界の海上原油貿易量の約25%、全世界の液化天然ガス(LNG)貿易量の約20%を占める。米エネルギー情報局(EIA)の2025年1-3月期のデータによると、同海峡を経由する石油輸出量はサウジアラビア(37.2%)、イラク(22.8%)、アラブ首長国連邦(12.9%)、イラン(10.6%)、クウェート(10.1%)が多く、これらの石油は中国、インド(14.7%)、韓国、日本などに向かう。ホルムズ海峡を経て韓・中・日の3カ国へ向かう石油は75.3%にのぼる。欧州は3.8%、米国は2.5%にすぎない。

エネルギー統計に明確に表れているように、米国はホルムズ海峡が封鎖されても事実上ダメージはない。シェールエネルギー革命で2010年以降、米国はエネルギーを自給自足できる国となり、中東に依存していないからだ。しかしホルムズ海峡は単なるエネルギーの通路ではなく、米国の覇権がかかっているところであるため重要だ。元北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍最高司令官のウェズリー・クラーク氏は、イランがホルムズ海峡を掌握し続けるのを放置すれば、米国の抑止力を毀損し、アジアでの影響力を低下させ、欧州の安全保障を脅かすことになると警告する。すなわち、1945年以降に米国が主導してきた国際秩序の終焉を意味するということだ。

2026/08/11 11:04
https://japanese.joins.com/JArticle/353355

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