ソウルで夜の登山を楽しむ。いろいろな楽しみがあるが、夜景が最高だ。暗闇が広がると、無味乾燥だった灰色の都市が星を散りばめたようにきらびやかに変わる。北漢山から眺める江北一帯、冠岳山から眺める江南一帯が圧巻だ。低山では、江北なら仁王山と鷹峰山、江南なら牛眠山と九龍山の夜景が素晴らしい。夜なので人はほとんどいない。一人で楽しむ味わいも良いが、ものすごい都市の資源がもったいなくもある。ところが最近、これまで見かけなかった光景を真夜中の山でよく見かける。
南山が観光コースになったのはずいぶん前のことだ。今では夜11時でも外国人が多い。南山と同じくらいアクセスしやすい東大門の駱山の頂上でも外国人を見かける。西村の仁王山は都心にあるが、頂上付近の傾斜がかなりきつく、危険な区間もある。ところが、ここの頂上でも真夜中に外国人に出会うのだ。都心の夜景は仁王山が最高だ。この事実をどうやって知ってここまで登ってきたのか不思議に思う。口コミというのは恐ろしい。
時には、地元の人間が知らない空間の価値を異邦人が教えてくれることがある。ソウルの夜がそうだ。明洞、梨泰院、弘大の通りのように見慣れた場所だけではない。韓国をよく訪れるリピーターの観光客が増える中、彼らが夜の街の隅々にまで浸透している。清渓川、乙支路の路地、益善洞、東大門デザインプラザ(DDP)、汝矣島の漢江沿いや人工島「セビッソム」でも、外国人の夜の客をよく見かける。不思議なことに、彼らに出会うと、あまりに馴染みすぎて感慨のなかった周辺の空間が新しく見えることがある。
日本の京都は昔から昼の客と同じくらい夜の客が多い。世界的な観光地である東山や嵐山のお寺は、桜の季節や紅葉の季節に夜間拝観を行う。同じお寺に夜と昼の二回行く人が多い。人工の光に照らされた美しさが、昼の自然光とは全く異なるのだ。夏には「祇園祭」を開き、京都は春・夏・秋を通して夜の付加価値を創出している。背景には、夜道が安全な日本の治安インフラがある。韓国も負けてはいない。女性たちが深夜に漢江沿いでランニングをする、世界でも数少ない国だ。
ソウル市が「ソウル型夜間経済」を推進すると発表した。夕方6時から翌朝6時までを新たな経済活動の時間とみなし、夜間の文化・体育・観光・交通網を構築するというものだ。少し前まで「夜間経済」と言えば、二次会、三次会へと続く遊興や接待の文化を意味した。どれほど飲みまくっていたかを示すように、「韓国の夜の経済は世界最大」とも言っていた。時代の変化で悪習が減り、ソウルの夜も健全な本来の姿を取り戻しつつある。呉世勲(オ・セフン)市長の言葉のように「都市の花は夜に咲くもの」である。
2026/08/24 08:00
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