韓国では、チャン・ユンギ事件のずさんな捜査疑惑に続き、済州(チェジュ)のP警長(巡査長に相当)による行方不明届の虚偽終結事件まで浮上し、警察内部でも行方不明事件への対応体系を見直すべきだとの声が高まっている。特に成人失踪事件の処理をめぐっては制度上の盲点が明らかになり、専従人員も不足しているため、対応が不十分にならざるを得ないとの指摘が相次いでいる。
◇行方不明チームの人員、5年で8.1%減…現場の声は
失踪事件を担当するチームで勤務した経験があるA警監(警部に相当)は26日、中央日報に「成人が行方不明になった際に迅速な捜索ができるよう法的制約を緩和するか、現場の人員を補強するか、どちらか一つは改善されなければならない」と話した。成人の行方不明者は警察庁の例規に基づき、行方不明者ではなく「家出人」に分類される。金融口座追跡のための捜索・押収令状や通信事実確認資料提供要請書などがなければ、カードの利用履歴の確認や携帯電話の位置追跡などができない点を指摘したものだ。
A警監は「令状を申請しても犯罪容疑が説明できなければ発付されないため、現場では結局、人員を最大限投入して捜索するしかないが、その人員すら不足しているのが現実」とし、「行方不明事件の専従チームがない警察署では刑事・女性青少年捜査課などが他の事件とともに担当するため、行方不明事件は後回しにならざるを得ない。権限も人員も不足しているのに、事故が起きれば責任は重く、勤務を敬遠する雰囲気がある」と話した。
人員不足は統計からも確認できる。国会行政安全委員会所属の金睿智(キム・イェジ)国民の力議員室が警察庁から提出を受けた資料によると、第一線の警察署の行方不明事件に関連する専従チームの人員は2021年12月の848人から今年3月には779人へと8.1%減少した。
専従チーム自体がないところも相当数に上る。警察庁によると、全国261カ所の警察署のうち、行方不明事件の専従捜査チームがないところは114カ所(43.7%)に達する。江原(カンウォン)警察庁傘下の17警察署のうち、春川(チュンチョン)・原州(ウォンジュ)・江陵(カンヌン)警察署の3カ所を除く14カ所に専従チームがない。京畿(キョンギ)南部警察庁傘下では楊平(ヤンピョン)警察署などに専従チームがない。大部分が管轄人口25万人未満の2・3級地だが、この場合、捜索地域はむしろ広く、捜索が難しい可能性がある。
一方、行方不明事件の数は増え続けている。昨年警察に受理された行方不明届は障がい者・児童・一般成人などを含め計12万5383件だった。2021年(10万7381件)に比べ約1万8000件(16.8%)増えた。行方不明になった成人を早期に発見する必要がある場合、位置追跡や令状なしでの防犯カメラ(CCTV)映像の確保などを可能にする趣旨の法案は2015年以降10件余り発議されたが、いずれも国会を通過できなかった。
◇「虚偽・誇張した通報を減らし、勤務文化も立て直すべき」
警察はP警長(巡査長に相当)の事例のように、行方不明事件を「セルフ終結」できる仕組みも変えることにした。ソウル地域に勤務するB刑事課長は「P警長の事例のように、事件をセルフ終結した後、『先に措置して後から報告』する形の処理が可能なのは行方不明事件だけ」とし、「理解できないシステム」と話した。これを受け、警察は担当者が失踪事件の解除を要請すれば、チーム長・課長などの管理者が解除理由と入力内容を確認した後に承認する「二重装置」を導入する予定だ。
勤務文化を立て直すべきだとの指摘も出ている。済州をはじめ複数の地域で勤務した経験があるC警察官は「本土と比べて女性青少年・交通事件などの通報が入った際に出動する頻度が少ないと体感できるほど」とし、「地区隊・派出所(日本の交番に当たる地域警察拠点)に下りてくる事件対応の指示も原則論的だったり、消極的だったりすると感じた」と話した。
虚偽・誇張した通報を減らすべきだとの現場の意見もある。毎年7万件余りの成人の行方不明届が出されるが、99.7%は特別な捜索をすることなく事件が終結しており、このような「ノイズ」も一因だとの意見だ。首都圏の警察庁に勤務するD警正(警視に相当)は「子どもの交友関係が気に入らなかったり、帰宅を促したりするため、自発的な外出を行方不明として届け出るケースも少なくない」とし、「高リスクの行方不明事件に投入すべき捜査力を分散させる要因になり得る」と懸念した。
2026/08/27 09:18
https://japanese.joins.com/JArticle/354152