K-POPにブラジル・リズム旋風…短く強烈な「フック」…ショート動画時代 K-POPと「相性最高」

投稿者: | 2026年9月13日

 「ATEEZ(エイティーズ)のサン(チェ・サン)が胸ヒットダンスをするたびに、新韓ベンチャーが笑う」

 最近、K-POP界でジョークのように飛び交っている言葉だ。大手金融グループのベンチャーキャピタル「新韓ベンチャー投資」が投資した芸能事務所KQエンターテインメントの男性アイドルグループATEEZが、新曲『BAD(バッド)』に登場するたった5秒ほどの振り付けで、ショート動画市場を席巻したためだ。パワフルでありながら一定の間隔のエンカウント(裏拍=うらはく)で魅了するブラジル・ファンク・ジャンルをベースにした曲だ。この独特な打楽器のリズムに合わせて、メンバーのサンが胸だけを「ドン、ドン」と突き出す振り付け(胸ヒットダンス)が旋風を巻き起こしている。同曲のミュージックビデオのユーチューブ再生回数は先月、5000万回を超えた。

 最近、この曲のようにブラジルのリズムを前面に押し出した曲がK-POP市場に相次いで登場している。その中心となっているのは、ブラジルの打楽器リズムを1分間に120~150回前後の速いリズムで刻む「ブラジリアン・ファンク」(以下、ブラジル・ファンク)だ。「バイレ・ファンキ」とも呼ばれるこのジャンルは、ブラジル・リオデジャネイロのファヴェーラ(スラム街)やダンスパーティ文化から発展したエレクトロニック・ダンス・ミュージックの一つだ。これにワイルドな金属音が際立つフォンク(Phonk)が融合した「ブラジリアン・フォンク」も脚光を浴びている。

 先月21日に男性アイドルグループENHYPEN(エンハイプン)がリリースした8thミニアルバム『THE SIN : BLISS(ザ・シン:ブリス)』のタイトル曲『Bloody Paradise(ブラッディ・パラダイス)』も、ブラジル・ファンクをベースとしたダンスナンバーだ。禁断の恋に落ちたヴァンパイアと人間の恋人、2人を追いかけるチェイスをブラジル・ファンクの速くワイルドなリズムで表現した。先月30日、ENHYPENはこのアルバムでデビュー6年目にして米「ビルボード200」チャートの首位に初めて立った。ENHYPENは7thミニアルバムのタイトル曲『Knife(ナイフ)』もブラジル・ファンクにアレンジして披露していた。

 ガールズグループKATSEYE(キャッツアイ)は先月14日、ブラジリアン・フォンクのテイストを加えた『Hootie Frutti(フッティー・フルッティー)』をリリースした。強く金属的な打撃音に、中毒性のある裏拍の繰り返しがカギのこの曲は、米ビルボードのメインシングルチャート「ホット100」の31位にランクインした。

 男性アイドルグループTOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー、TXT)は先月、日本でリリースしたシングル『セツナハナビ(Setsuna Hanabi)』にブラジル・ファンクを取り入れた。別れを前にした恋人の感情を描く叙情的な曲を、速くワイルドなブラジル・ファンクのリズムにのせるというアレンジだ。

 本場ブラジルの歌手とコラボしたケースもある。ガールズグループNMIXX(エンミックス)はブラジルのポップスター、パブロ・ヴィターと昨年、コラボ曲『MEXE(メッシ)』を、今年は『TIC TIC(ティック・ティック)』をリリースした。それぞれブラジル・ファンクとブラジル・フォンクのリズムをミックスし、明るいカーニバルのムードを醸し出している。

 最近のK-POPでは、さわやかな音色のシンセポップ(シンセサイザー・ポップ)と耳に残るメロディーの「清涼ドル(清涼感+アイドル)」の人気が下火になり、肉体的な魅力と強烈な群舞を強調した、いわゆる「野獣ドル」が再び人気になっている。ブラジル・ファンクの台頭は、こうした流れにのったものだ。

 ブラジル・ファンクの短く繰り返されるフック(Hook・曲の中毒性を生み出す部分)は、特にショート動画やショート・フォームにおいてK-POPのパフォーマンスと相性が良い。批評家のイ・ヒユン氏は「ブラジル・ファンクは短いリズム単位で絶えず繰り返し、予想外の所に打楽器音を入れて数秒で耳をとりこにする」「曲全体よりも短い『Killing Part(キリング・パート、強烈な印象を与える部分)』が繰り返し消費されるショート動画の時代において有利だ」と語った。こうしたジャンルの特性にK-POP特有の強烈な振り付けを合わせると、10~20秒ほどのチャレンジ動画だけでも曲の印象が脳裏に焼き付きやすいということだ。事実、ガールズグループBLACKPINK(ブラックピンク)のジェニーが昨年リリースした『like JENNIE(ライク・ジェニー)』はブラジル・ファンクとフォンクを混ぜ合わせた金属的なビートに、短く繰り返されるラップと振り付けを合わせ、ショート動画で大きな話題となり、世界的なヒットへとつながった。

 世界の音楽市場において、ブラジル・ファンクそのものの規模も急速に拡大している。ショート動画交流サイト(SNS)「TikTok(ティックトック)」の集計によると、ヨーロッパ全域では2~5月に「#brazilianfunk」の投稿が直近の4カ月間と比較して34%増え、「#brazilianphonk」の投稿は62%増加した。音楽ストリーミングサービス「Spotify(スポティファイ)」の3月のレポートでは、2025年の年間ロイヤルティが5000万ドル(約76億6000億円)以上を記録したジャンルのうち、ブラジル・ファンク(+36%)、K-POP(+31%)、ラテン・トラップ(+29%)、ラテン・アーバン(+27%)、レゲトン(+24%)などが高い成長率を示したという。K-POPとブラジル・ファンクの結合は、「世界の音楽市場で収益性が急成長している2つのジャンルの出会い」ということだ。

2026/09/13 07:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/09/11/2026091180150.html

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