体は海外にあっても視線は韓国国内に向いていた。李在明(イ・ジェミョン)大統領は5泊7日の米国・メキシコ訪問に出発してから帰国するまでX(旧ツイッター)に30件の投稿をした。このうち秋夕(チュソク、中秋)のあいさつを除いて国内の懸案に関する投稿は12件だった。
21日(日本時間)、米国行きの飛行機に搭乗する際には、非武装地帯(DMZ)での地雷爆発事故で負傷した兵士を慰労する投稿をし、米国到着直後には「江南不敗、不動産投機共和国は、もう過去の話になるだろう」というコメントを載せた。政府が21日に発表した公的住宅供給計画を共有したものだ。翌日には「国家戦略産業が長期的かつ安定的に成長できるよう『韓国版戦略型国富ファンド』を支障なく準備する」とした李炯日(イ・ヒョンイル)副首相兼財政経済部長官の投稿を共有しながら「よろしくお願いします」と伝えた。その6時間後には海外にサーバーを置く性的搾取物サイトについて「人権に反する性的搾取物はボイスフィッシングのように大韓民国では難しくなる」と公言した。帰国便では「私一人では力不足だ」とし、改革への参加を呼びかける投稿をした。
ニューヨークで開かれた韓国投資サミットへの出席を1時間半後に控えた時点では青少年の自殺問題を取り上げた。李大統領は「自殺による死亡は国家レベルの自殺対策を実施し始めてから10%以上減少し続けているが、青少年の自殺率は逆に悪化している」とし、「死よりもつらい環境を変えることが政策の核心」と投稿した。金恵景(キム・ヘギョン)夫人の生家復元の動きを投稿したあるX利用者の投稿には「名誉毀損犯罪だ」と警告した。米国での日程を終えた後には「抵抗と反発のためすべての政府が避けてきたが、私は避けない」とし、政府が実施中の農地全数調査の必要性を強調した。そしてメキシコのメキシコシティーに到着すると、北朝鮮兵捕虜の送還を意図的に隠したという趣旨の国民の力の主張に対し、「支持率回復のために(捕虜送還事実を)公開しようという内部の主張がなかったはずはない。しかし国政は政権を担う者の利益や人気のために行ってはならない」と反論した。
李大統領は政権発足初期だった昨年の海外訪問では主に歴訪に関する投稿だけをした。その後、今年3月のシンガポール・フィリピン訪問の際には「家を売買するのは個人の自由だが、それが利益になるか損失になるかは政府が決める」と伝えるなど、国内の懸案に関するメッセージの頻度を増やした。4月のインド・ベトナム訪問期間には長期保有特別控除制度の見直しを予告し、変動が大きい不動産問題に油を注いだ。6月に仏エビアンで開催された主要7カ国(G7)首脳会議に合わせた欧州訪問の際には、6月3日の地方選挙後の支持率低下について謝罪し、与党の責任を強調する投稿をした。
与党関係者は「国政の最高責任者がどこにいても国内の問題に関心を持つのは当然のこと」としたが、国民の力からは「公職社会が大統領の意向通りに動いていないという心証が表れた」「国内の懸案に対する不安感が高まっていることの表れ」などの解釈が出てきた。
李大統領は26日(現地時間)、経由地の米アンカレッジで歴訪に同行した記者団と懇談会を開いた。李大統領は帰国直後、姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長の辞意表明で交代が必要となる秘書室長と、空席になっている政策室長など青瓦台(チョンワデ、大統領府)の参謀陣だけでなく、新たな刑事司法制度の施行を前に難航している法務部長官と重大犯罪捜査庁長官らの人事も急ぐ見通しだ。
与党内の強硬派の反対に直面している金志容(キム・ジヨン)重大犯罪捜査庁長候補については、国会への人事聴聞要請案の送付が有力との見方が優勢だ。李大統領が24日(現地時間)のメキシコ同胞懇談会で、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に国家保安法の改正が廃止論者に阻まれて頓挫した事例に言及したからだ。海外訪問中に裁判官再推薦要求を拒否した曺喜大(チョ・ヒデ)大法院(最高裁)長との対立はしばらく膠着状態が避けられない見通しだ。青瓦台の関係者は「大法院が行動するまでは青瓦台が別途に立場を示す理由はない」と述べた。
2026/09/28 10:17
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