「アバウト・トゥー・ウィークス・ドットコム(AboutTwoWeeks.com)」というウェブサイトがある。トランプ大統領が、イラン戦争開戦から今日までの200日あまりの間に、終戦について誇張、虚言、うそを語るシーンを撮影した60本以上の動画を、カレンダーにわかりやすくまとめてある。「2週間もあればイラン戦争は終わる」という彼の代表的な虚言にちなんで名付けられたサイトだ。
「我々は4~5週を意図している」(3月1日)、「4~5週を予想しているが、我々にはもっと長くやる能力がある」(3月2日)、「おそらく2週間、おそらく数日」(3月31日)、「我々は妥結に非常に近づいている」(4月16日)、「ホルムズ海峡はすぐに開かれるだろう」(6月9日)、「彼らは交渉の妥結を非常に切望している」(7月8日)、「文字通り明日ごろ」(8月3日)、「すぐに実現するだろう」(8月6日)、「我々はすでに勝利した」(9月2日)、「この戦争は選挙後、非常に迅速に終わるだろう」(9月2日)、「中間選挙前に。非常にすぐ。見ていろ、見守ってのみいろ」(9月16日)…
電話会見などは除外してあるから、トランプ大統領がイラン戦争についてついたうそは数え切れない。あげくの果てにトランプ大統領は今月5日(現地時間)、イラン戦争による原油価格の高騰などの物価上昇について、「イランの核の脅威の除去の小さな代償」だとして、「彼らにロサンゼルスやサンディエゴを破壊させろ」とまで述べた。彼はウクライナ戦争についても、11日にロシアとウクライナの「エネルギー停戦」合意を一方的に発表した。ウクライナのゼレンスキー大統領は「私にとってはニュース」だと述べており、ロシアは何ら反応を示すことなくウクライナのエネルギー施設への攻撃を続けている。トランプ大統領は、ウクライナ戦争を24時間で終わらせられるという虚言を、実に60回以上も繰り返してきた。
トランプ大統領の掲げた対外政策公約の中で最も際立っていたのは、米国の「永遠の戦争終結」だった。彼に反対する人々でさえ、この公約には期待を寄せていた。彼は就任4カ月目の2025年5月15日にサウジアラビアのリヤドを訪問した際の演説で、米国が中東などで自らの価値観を実現しようとして戦争にまで及んだことを批判した。彼は「(米国保守陣営の)いわゆる国家建設者たちは、築いた国よりもはるかに多くの国を破壊してきた。干渉主義者たちは自分たちですら理解できない複雑な社会に干渉した」と非難した。
この演説から1カ月もたたない6月13日、トランプ大統領はイスラエルと共にイランの核施設を爆撃する「12日間戦争」を敢行し、2003年の米国によるイラク戦争以来、中東全域で最大となる戦禍を引き起こしはじめた。そして、人類史上のいかなる指導者をもしのぐ約束破りと虚言を繰り返した。
彼の極端なナルシシズムなどの精神病理的疾患、自分と家族の利益を優先する貪欲さなどが取り沙汰されているが、細かく追及するのは無意味だ。重要なのは、彼の対外政策が破綻しており、彼の発言が米国内外で人々を疲弊させており、効き目が薄れてきているということだ。
韓国に関しては、アラスカの天然ガス開発への投資が代表的な例だ。トランプ大統領は先月30日の記者会見とソーシャルメディアを通じて、韓国がこの事業に500億ドルを投資することを決定したと発表した。商務省やバンス副大統領は、まだ確定したわけではなく、韓国とさらに調整する必要があると述べた。キム・ジョングァン産業通商部長官も1日の記者会見で「ラトニック商務長官に強く異議を申し立てた。『韓国の懸念を理解する』という反応を得た」と語った。李在明大統領も「商業性が確認され、大韓民国の法手続きに適合するという前提条件のもとで作業に着手することになっている」と反論した。
米国に従順であることにかけては韓国と肩を並べていた日本も今月9日、西側7カ国とともに、国際刑事裁判所(ICC)に対するトランプ政権の制裁を非難する声明に加わった。高市首相もソーシャルメディアで「今回の(米国の)措置は、こうした一貫した日本の立場と相容れるものではなく、深く懸念している」と異例の反発を示した。
米国の中間選挙が近づくにつれ、同盟国の中で米国の圧力に最もぜい弱な韓国に対して、トランプ大統領の無理な発言とうそはさらに激しさを増すだろう。しかし、アラスカ投資問題は韓米関係において一つの分岐点となるかもしれない。これまで米国は、あのような露骨で無理な要求は公然とはしてこなかったし、韓国側もあのような正面からの反論はしたことがなかった。
トランプ大統領は韓国にとって、米国との関係を独立的なものにする機会になり得る。トランプ大統領の発言に一喜一憂するのはやめよう。事実のみにもとづいて対応しよう。トランプ大統領のすべての発言に意味を見出すには、私たちの人生や李在明政権の任期は短すぎる。
2026/10/12 22:42
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/57391.html