債券は「コリアディスカウント」脱出…金利0.6%引き下げる効果=韓国

投稿者: | 2024年10月10日

韓国が世界最大の先進債券指数である世界国債インデックス(WGBI)に編入される。来年から75兆ウォン(約8兆3193億円)規模の海外投資資金が韓国に流入し、政府財政運用のほか外国為替市場と金利の安定に寄与するという予想が出ている。

同インデックスを提供する英FTSEラッセルは8日、「来年11月から韓国をWGBIに編入する計画」と明らかにした。WGBIは米国、日本、英国など主要先進国の国債などを基に算出される。WGBIに追従する資金規模は2兆5000億ドル(約373兆円)と推定される。

 WGBIで韓国国債の編入比率は10月基準で2.22%になる見通しだ。全26カ国のうち米国の40.4%、日本の10.2%、中国の9.7%、フランスの6.7%、イタリアの6.0%、ドイツの5.2%、英国の4.8%、スペインの4.0%に次いで9番目の規模だ。韓国企画財政部は「560億ドル規模の国債資金が段階的に流入する見通し」と明らかにした。韓国の年間国債純発行規模83兆7000億ウォン(来年基準)と匹敵する規模だ。

専門家らは今回の編入決定により韓国国債に対する投資信頼度が高まり金融市場が安定化すると分析する。WGBI追従資金が韓国に流入し国債市場需給と金利安定に寄与できる。韓国金融研究院は「500億~600億ドルの国債資金が流入する場合、0.2~0.6%ほどの金利引き下げ効果があるだろう」と判断している。

これまでいわゆる「コリアディスカウント」のため韓国国債は国際債券市場で低評価され高水準の金利が形成されていた。編入後の債券価格上昇にともなう金利引き下げで年間最大1兆1000億ウォンの利子費用が節減されると期待される。企画財政部は「国債需要基盤が拡充され安定した中長期財政運用が可能になるだろう」と分析した。

韓国国債利回りに基づいて動く社債金利が低くなり企業の資金調達費用も減少する見通しだ。さらには貸出金利に引き下げ圧力として作用し家計の利子負担も減らせると予想される。外国為替市場の側面では国債投資に向けたウォン需要が増加しドル流動性を供給する効果が期待される。

韓国政府は韓国経済のファンダメンタルズと財政健全性、資本市場先進化に対する信頼が確認されたことで指数編入以上の意味を持ったと自評する。崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官は「慢性的な債券・外国為替市場のコリアディスカウントが解消された。韓国の国債市場の名実が一致するように適正価格を受けるのに成功した」と話した。大統領室関係者も「政府がこれまで国の信任度を高め続けてきたこと、特に財政を健全に運営してきたことが指数編入に相当な役割をしたと考える」と話した。

FTSEラッセルはこの日、韓国証券市場をめぐり、2009年から付与した「先進市場」の地位を維持した。当初「先進新興市場」に降格するための前段階である観察対象国に指定されるかもしれないとの懸念が出ていたが、現実化しなかった。観察対象国指定への懸念は韓国政府が昨年11月から空売りを株価下落の主犯と規定して禁止したが、先月政府が来年3月の空売り再開の可能性を示唆したことが影響を及ぼした。

韓国証券市場は今後モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)先進国指数に編入しなければならない課題も抱えている。MSCIは6月、「年次市場分類の結果、新興国に属する韓国の変更事項はない」と発表し、「空売り禁止措置により市場アクセス性が制限されている点に注目している」と明らかにした。

2024/10/10 09:12
https://japanese.joins.com/JArticle/324751

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