北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が米大統領選挙を5日後に控えて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。韓国軍は今回のミサイルが既存の「火星18型」よりサイズが大きくなった新型ICBMと分析した。派兵という賭けを敢行した北朝鮮の金正恩国務委員長が米国に向けさらに強くなる打撃力を誇示する戦略挑発を選んだという意味だ。
韓国合同参謀本部は31日、「北朝鮮が午前7時10分ごろ平壌(ピョンヤン)周辺から東海上に高角で長距離弾道ミサイル1発を発射した。現在までの分析で新型の固体推進長距離弾道ミサイル試験発射の可能性がある」と明らかにした。
合同参謀本部は、「韓米は緊密な共助の下に、北朝鮮の弾道ミサイル発射準備活動を追跡してきた。弾道ミサイル発射直後に韓米間の共助会議を通じて状況を緊密に共有し、韓米国防相は米国側戦略資産が展開する合同訓練などの強力な対応を通じ同盟の対応意志を顕示することにした」と明らかにした。また、この日の北朝鮮の発射直後に韓米日3カ国間で北朝鮮の弾道ミサイル警報情報をリアルタイムで共有したと付け加えた。
これと関連し合同参謀本部関係者は「北朝鮮が最近公開した12軸(24輪)新型移動式発射台で発射した可能性がある。ミサイルのサイズが大きくなり弾頭重量を増量した可能性がある」と説明した。
北朝鮮は固体燃料基盤の最新ICBMである火星18型をこれまで9軸(18輪)の移動式発射台で発射した。「怪物ICBM」と呼ばれた火星17型の移動式発射台が11軸(22輪)だった。火星17型の長さは最大24メートル、直径は2.4メートル程度と専門家らはみている。新型ICBMはこれよりも規模を大きくし長さだけで30メートルに達するものと韓国軍はみている。これは固体燃料推進体の推進力を高め、弾頭重量を増やした改良型という意味とみられる。
実際に今回の弾道ミサイルの頂点高度は7000キロメートル以上で、北朝鮮北東部海上の島アルソムを過ぎ日本の青森県方面へ1000キロメートル以上飛んだという。これは正常な角度で発射した時には1万5000キロメートル以上を飛べるという話だ。米本土全域が射程距離に入ってくるという意味だ。昨年12月18日に発射した火星18型の場合、民間専門家らは頂点高度を6500キロメートルほど、飛行距離は1000キロメートルほどと分析した。
飛行時間も長くなった。昨年12月の火星18型は約74分飛行した。NHKは日本の防衛当局の話として、今回の長距離弾道ミサイルの飛行時間は1時間26分でこれまでの北朝鮮のミサイルのうち最も長く飛行したと伝えた。朝鮮中央通信もやはりこの日午前にミサイル発射の事実を確認しながら「戦略ミサイル能力の最新記録を更新した」と主張した。
2024/10/31 17:29
https://japanese.joins.com/JArticle/325670