韓国と欧州連合(EU)が「戦略対話」を開き、北朝鮮のロシア派兵が「韓国と欧州を含む全世界の安保を脅かしている」と強く糾弾した。双方は「安保・防衛パートナーシップ」も採択し、相互安保協力を強化することにした。
チョ・テヨル外交長官はジョセプ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表と4日、ソウル外交部庁舎で、第1回韓-EU戦略対話を開催し、韓-EU関係、ロ朝協力および朝鮮半島情勢、地域・国際情勢などについて話し合ったと、外交部が発表した。
チョ長官とボレル代表は「最近の北朝鮮軍のロシア派兵が示すように、欧州とインド太平洋地域の安保状況が緊密につながっている現在の地政学的状況のもとで開催される今回の戦略対話は、非常に時宜を得ており、重要な意味を持つ」ということで一致した。今回の戦略対話は、昨年5月にソウルで開催された韓-EU首脳会談の合意によって行われる最初の戦略対話で、双方は今後も核心価値を共有するパートナー間の連帯をもと、韓-EU間の戦略的パートナー関係を強化していくことにした。
チョ長官とボレル代表は今回の戦略対話を機に「韓-EU安保防衛パートナーシップ合意文書」を採択したことを歓迎した。同日に採択された「韓-EUパートナーシップ」には海洋安保、サイバー、軍縮・不拡散、防衛産業など15の安保防衛分野で双方が協力するという内容が含まれている。具体的には韓国の外交部と国防部の局長級とEUの室長級を首席代表とする安保防衛対話を年例開催し、北朝鮮の不法的サイバー活動に対する対応の強化などのために、多国・地域・二国間協力を続けると共に、軍縮、大量破壊兵器の不拡散、通常兵器の国際取引、軍事分野の責任あるAIなどの分野での協議を強化し、海洋安保、宇宙安保対話体を設置することにした。EUは2023年初めから安保防衛パートナーシップを進めており、今年に入って5月モルドバとノルウェー、11月1日の日本に続き韓国と4番目に安保防衛パートナーシップを締結した。ただし、これは拘束力のない政治的文書だ。
チョ長官とボレル代表はこの日、共同声明を出し「北朝鮮が違法な兵器移転と特殊部隊派兵を通じてロシアのウクライナ侵略戦争を支援することは、韓国とヨーロッパを含む世界の安保を脅かすもの」だと強力に糾弾し、北朝鮮軍の即刻撤退と軍事協力の中断を求めた。双方は「北朝鮮はNPTによる核保有国の地位を保有しておらず、今後も絶対保有できないことを確認し、北朝鮮が非核化に向けて具体的な措置を取ること」を求めた。これと関連して双方は、ロシアが軍事協力の見返りとして北朝鮮に何を提供するかを綿密に注視し、国際社会とともに必要な措置を積極的に講じていくことにした。またウクライナおよび中東戦争が長期化する状況に深い懸念を示し、ウクライナに対する支援の意志を再確認したと外交部は明らかにした。
一方、チョ長官とボレル代表は双方のインド太平洋戦略を移行するために、協力拡大案を模索していくことにした。特に、チョ長官は国際社会の主要懸案について、「G7との協力を強化していきたい」と言及しており、ボレル上級代表はルールに基づいた国際秩序を守るため、二国間および多国間レベルで韓国と緊密に協力していく」と述べた。
同日の戦略対話に先立ち、キム・ヨンヒョン国防部長官は、国防部庁舎でボレル上級代表と2国間会談を行い、安保情勢について話し合った。国防部によると、キム長官とボレル上級代表は、北朝鮮軍のロシア派兵に対して深刻な憂慮を表明しながら強く糾弾し、韓国とEUが国際社会と協力して北朝鮮とロシア間の軍事協力を遮断するため、緊密に協力していくことにした。
ボレル上級代表はキム長官との会談後、X(旧ツイッター)への投稿で、「ロシアのウクライナ侵攻は実存的脅威であり、大韓民国はこの点を最もよく理解できる立場にある」とし、「私たちはウクライナに対する支援において団結している。 私は韓国がそれ(ウクライナ支援)を強化するよう求めた」と明らかにした。
2024/11/04 22:16
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/51538.html