◇グローバル株式市場の悲喜
ドナルド・トランプ氏の米国大統領当選後、グローバル株式市場は明暗が分かれた。米国と日本は騰勢を示し、韓国などアジア新興国と欧州は停滞する様相だ。トランプ氏が掲げる米国第一主義と強い保護貿易政策が他国の経済にはむしろ負担として作用したという分析だ。
6日(現地時間)ニューヨーク株式市場で、ダウ指数は前日比3.57%高の4万3729.93で取引を終えた。S&P500指数は2.53%高となる5929.04、ナスダック指数は2.95%高となる1万8983.47を記録した。3指数とも、すべて史上最高値となる。ダウ指数とS&P指数は2022年11月以来2年ぶりに最大上昇率を見せた。
ビッグテックは反独占に対する圧迫が緩和するという期待で株価が上昇した。トランプ当選を助けたイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)率いるテスラは14.8%急騰した。人工知能(AI)代表株エヌビディアは4.07%上昇して終値を基準として歴代最高額を更新し、アップルをおさえてニューヨーク株式市場時価総額1位を奪還した。
代表的な「トランプトレード(トランプ当選時に上昇する資産に投資すること)」資産に挙げられるビットコインはこの日7万5000ドル(約1億457万ウォン)台にのせて、史上最高額記録を一日でまた更新した。
株価急騰傾向は政治的不確実性が一旦解消されたためだ。トランプ氏が企業規制緩和や法人税引き下げなど減税政策を掲げている点も市場に好材料として作用した。特に共和党が上院に続いて下院まで掌握するいわゆる「レッドスウィープ(Red Sweep)」の可能性が高まり、政策実現期待を大きくした。
市場では、政府と議会をすべて共和党が掌握する場合、米国株式市場の独走が来年まで続く場合があるという展望も出ている。CNBCによると、グローバル資産運用会社「インフラキャップ」はレッドスウィープが実現すれば来年年末のS&P指数は今より約20%上昇した7000台を突破する可能性があると展望した。
「トランプラリー」を開始した米国株式市場とは裏腹に、グローバル株式市場は事実上振るわない格好だ。6日、韓国総合株価指数(KOSPI)(-0.52%)と中国CSI 300指数(-0.50%)・上海総合指数(-0.09%)・香港ハンセン指数(-2.23%)は対前日比下落で取引を終えた。トランプ当選にともなうドル高現象と高金利負担、対中貿易紛争などの懸念が反映され、アジア新興国証券市場の外国人投資資金が離脱した影響だ。
7日 、KOSPIは0.04%で小幅反発したが、コスダック指数(KOSDAQ)は1.32%急落して振るわない姿を継続した。マレーシアKLCI、インドネシアIDX総合、インドSENSEXも下降線だった。この日、中国株式市場は反騰したが、これは8日発表予定の中国政府財政浮揚策への期待のためだ。
ドイツDAX指数(-1.13%)・英国FTSE100指数(-0.07%)・フランスCAC(-0.51%)など欧州の主要株式市場も、戻ってきたトランプ効果で軒並み下降線で取引を終えた。高率関税賦課と強い保護貿易主義が欧州輸出品にも打撃を与える可能性があるという懸念が反映された影響だ。
主要国の中で日本だけがトランプ当選に呼応して急騰傾向を示した。日経平均株価は6日2.61%急騰後、7日弱含み相場(-0.09%)を見せたものの、追加上昇余力が残っているという分析だ。トランプ政策がドル高を呼び、円安にするという期待が反映された結果だ。
韓国漢城(ハンソン)大学経済学科のキム・サンボン教授は「米国第一主義政策の懸念で当面はグローバル金融市場の米国傾斜も大きくなるだろう」としながら「ただし、公約が実際の政策としてどのように具現されるかはまだ確定したわけではないため、綿密に調べて対応していく必要がある」と話した。
2024/11/08 07:28
https://japanese.joins.com/JArticle/325958