–トランプ2期目、中国の立場で最悪と最善のシナリオは何か。
蘇氏=最悪は60%の関税が現実化することだ。中国も相応の措置を取るしかない。中米経済関係は大きく損なわれるだろう。最善のシナリオは中国をこれまで包囲していた(米国中心の)複数の軍事同盟が弱まり、中国の戦略環境が改善する状況だ。韓中関係も改善する可能性がある。来年の韓国のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談開催を機に中国首脳の韓国訪問が実現するよう雰囲気を形成する必要がある。
王氏=過去に日本が米国との葛藤を米国現地に大規模な工場を建設しながら解決した事例がある。トゥキディデスの罠(新興強国が浮上すれば従来の強大国がこれを牽制する過程で戦争が発生するという概念)は相互理解と協力を通して避けることができる。
–中国が「一方的な開放」と「関税引き下げ」をカードにグローバル反トランプネットワークを構築するという海外メディアの報道がある。実際、中国は米大統領選挙直前に韓国を一方的にビザ免除対象国に含めた。
王氏=一方的な開放は中国が進む方向だ。中国はすでにビザを一方的に開放した。欧州20カ国と韓国も含めた。今後さらに拡大する可能性がある。また中国は数十の最貧国を対象に無関税を宣言した。世界的な転換期を中国は開放で解決する方針だ。中韓の第2段階の自由貿易協定(FTA)が加速する可能性もある。トランプ氏の復帰後、APECが先導的な役割をすることも考えられる。また日本とオーストラリアが主導する包括的および先進的なTPP協定(CPTPP)に中国も積極的に加入する努力をするだろう。
◆蘇浩・外交学院名誉教授
中国の外交人材を養成する中国外交部傘下・外交学院の外交学科名誉教授。戦略および衝突管理センター所長を歴任した。北京師範大歴史学科を卒業し、外交学院で国際関係博士学位を取得した。中国外交政策、軍備統制、アジア太平洋地域安保問題に精通する。
◆王輝耀・中国国際化センター理事長
中国の民間シンクタンク、中国国際化センター(CCG)設立者兼理事長で、国務院(政府)の政策諮問機関の参事室参事(2015-22)を歴任した。広東外国語大を卒業し、英マンチェスター大国際経営学博士学位を取得した。国際シンクタンク間の交流に活発に参加している。
2024/11/12 10:02
https://japanese.joins.com/JArticle/326105