ソフトバンクとエヌビディアが「日本の技術主導権回復」に共に言及した。ソフトバンクはエヌビディアの次世代AI(人工知能)半導体「ブラックウェル」を基盤とする日本最大のAIスーパーコンピューターを構築し、両社が協力して5G通信とAIを結びつけることにした。
孫正義ソフトバンク会長が「日本をAIでリセット(再設定)する」と述べると、ジェンスン・フアン・エヌビディア最高経営責任者(CEO)は「日本が米国や中国に奪われた技術主導権を回復する機会」と話した。
◆日本技術復活に火をつけるジェンスン・フアン氏
13日、東京で開催された「エヌビディアAIサミットジャパン」で、ソフトバンクとエヌビディアは両社が日本にAIインフラを構築するためのパートナーシップを結んだと明らかにした。日本最大規模のAIスーパーコンピューターを構築して日本語の超巨大AIモデル開発に使用し、エヌビディアAIプラットホームを使ってソフトバンクの5G通信とAIを結びつけ、通信とLINE・ヤフー・PayPayなど5500万人のソフトバンク顧客にさまざまなAIサービスを提供するという内容だ。
ファン氏は基調演説で「日本全域にAIグリッドが構築されるだろう」と述べた。電力・通信網のようにAIインフラを構築し、その上で各種AI応用サービスを可能にするということだ。ファン氏は通信とAIを結合した応用事例として自動車の周囲状況を総合的に理解するAI自動運転制御、工場内部の状態を人の目で見るように把握して報告する産業用AI秘書などを提示した。
◆孫正義氏「日本がリセットボタン押す」
続いて進行された孫氏とファン氏の対談で、孫氏は「エヌビディアの支援で日本最大規模のAIデータセンターを設立し、学生・研究者・スタートアップがほとんど無料で新しいAIモデルをテストできるようにする」と述べた。また「ビル・ゲイツ氏がPCを各机に置き、スティーブ・ジョブズがスマートフォンを各個人の手に握らせたとすれば、これからは各自の『AI秘書』の支援を受ける世の中になるだろう」と話した。
ファン氏は「日本は世界でメガトロニック(電子・ロボットなど先端製造)が最も得意な国だが、過去30年間、ソフトウェアで西欧と中国に遅れをとった。AIで完全に新しい機会を日本がつかむべき」とし「日本のゲーム・ロボティクス・バイオなど専門性にAIを結びつけるべき」と助言した。
孫氏はネットバブル崩壊後に日本が「ものづくり」ばかりを強調しながらソフトウェアの価値を否定し、創業者の情熱が抑え込まれたとし、「AIでこの情熱を生き返らせる」と強調した。そして「AIを過剰規制する国があるが、日本政府はそうではない」とし「日本が新しい革命に追いつく機会」と語った。
この日、ファン氏は「日本がなければ今日のエヌビディアはなかった」と格別の愛情を表した。エヌビディアの初期にSEGAのような日本のゲーム会社がエヌビディアのゲーム用GPUを活用し、東京工大が初めてエヌビディアのGPUを活用してスーパーコンピューターを構築した事例にも言及した。
2人は対談で過去にエヌビディア株を保有し、ソフトバンクーエヌビディア合併など支配構造や投資について議論したエピソードを公開したりもした。ファン氏が「マサ(孫氏)はかつてエヌビディアの最大株主だった」と話すと、孫氏は「オーマイガット」と叫んだりもした。ソフトバンクはエヌビディア株4.9%を保有していたが、2019年にすべて手放した。
2024/11/14 14:03
https://japanese.joins.com/JArticle/326204