日帝強占期の朝鮮人強制労役の現場である佐渡金山の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産登録当時、日本政府が約束した「年次追悼式」が24日、不完全な行事として開かれた。韓国側は参加しないまま開かれたこの追悼式で、いわゆる「靖国要人」(過去に靖国神社に参拝した高官)の謝罪や強制性に対する認定はなく、強制労役被害者遺族は25日、別途の追悼行事を行うことにした。
このような事態に関連し、一次的に批判を受ける対象は7月登録当時に合意の精神を無視して再び「過去史の雷管」に触れた日本だ。だが、これとは別に、信義だけに頼って肯定的な回答を待っている中で、日本が勝手に追悼式をゆがめる口実を与えた韓国政府も責任から自由になれない。佐渡金山問題で▲強制労役という言葉が抜け落ちた展示館の設置▲追悼式名称関連で強制性希釈の試み▲靖国参拝前歴者の派遣–など日本から不意打ち「3連発」を食らっている間、韓国政府が外交力を十分に発揮できない側面があったという指摘だ。
◇等級だけに注目して履歴は後回し
韓国政府の安易な認識は、日本外務省が追悼式を2日後に控えた今月22日午前、第2次世界大戦A級戦犯が合祀された靖国神社への参拝履歴のある生稲晃子政務官(次官級)を追悼式に派遣すると通知した後の対応を見れば明らかだ。
被害者遺族まで出席することになっていた行事に靖国参拝履歴のある人物が出席するのは不適切だという批判が直ちに提起されたが、韓国外交部はこの日午後9時ごろに出したコメントで「日本政府高官要人の出席が必要だと日本側に強調し、これを日本が受け入れて次官級である政務官が追悼式に出席することになった」と明らかにした。
これは韓国政府が出席要人の「等級」だけに注目して、結局出席を要請した政務官の詳細履歴は十分に把握できていなかったという指摘につながる。外務省の政務官3人のうち1人は靖国神社参拝の履歴がない。
韓国政府はその後、追悼式を翌日に控えた23日午後3時ごろに「外交当局間の異見調整に必要な時間が十分ではない」として不参加を宣言した。日本高位要人の出席に傍点をつけ、追悼式への出席を押し切ろうとしていた韓国政府が結局不参加を決めることになった「異見」とは、追悼あいさつの内容ではないかとみられている。日本が、誠意を込めた謝罪の意を表わすように求めた韓国側の要求を最後まで反映しなかったという。
実際、24日日本側だけが出席した追悼式で、生稲政務官は韓半島(朝鮮半島)労働者に言及しながら「戦争という特殊な状況の中で、危険で過酷な環境のもとで困難な労働に従事された」と述べた。また、佐渡金山の世界遺産価値に言及した後「輝く(登録)成果は、危険が伴った過酷な環境で労働に従事した鉱山労働者をはじめ、先人たちの献身の賜物であることを認識しなくてはならない」と述べた。強制労働に対する認定や謝罪は予想通りなかった。
生稲政務官は「鉱山労働者の中には、我が国の戦時中の労働者に関する政策に基づいて朝鮮半島から来られた多くの人が含まれていた」とも表現したが、「合法的に併合した植民地の自国民を動員令により招集した」という典型的な日本側の論理と見る余地がある。
日本は当初韓国側と合意したものとは違い、この日の式次で追悼のあいさつも省き、生稲政務官の発言を「あいさつの言葉」に命名した。この日の発言内容などから見る時、結果的に韓国の「ボイコット」の決定は遅れても避けられなかったものとみられる。「終結」を望む被害者遺族の面前で靖国参拝要人がこのような発言をすること自体がまた別の加害行為になるためだ。遺族は25日午前、佐渡金山の旧宿舎で別途で追悼行事を行う予定で、韓国の朴喆熙(パク・チョルヒ)駐日大使と外交部当局者も参加する。
国民大学日本学科の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「次官級要人のうち、過去履歴問題のない人物を派遣する形で日本政府が少しだけ誠意を見せていれば事態はここまで大きくはならなかったはず」としながら「過去史問題に関連し、韓国が何度も大乗的な姿勢を取っているのに、日本が繰り返し不意打ちを食らわすような行動を取るのは残念さが多分に残る部分」と話した。
2024/11/25 08:02
https://japanese.joins.com/JArticle/326581