低所得層を中心に支出全体で食費が占める割合が高まったことが明らかになった。中産層以上の世帯で関連比率が減ったのと対照的だ。高物価に庶民の生計がさらに厳しくなったとの懸念が出ている。
韓国統計庁が25日に発表した家計動向(名目)を分析した結果、4-6月期の全世帯の月平均飲食品(酒類除く)支出は38万7000ウォン(約4万2380円)、外食費支出は42万5500ウォンだった。2つの項目を合わせた総食費支出は81万2500ウォンで全消費支出281万3200ウォンのうち28.9%を占めた。1年前の29.0%より小幅に下がった。
通常、食費支出の割合が少ないほど家計に余裕資金が多くなったと判断する。所得が増えるだけに食費よりは教育、娯楽、文化、保健など他の部門の支出を増やすことができるからだ。全世帯基準で見れば物価上昇率が今年小幅に鈍化し全般的に家計の暮らし向きが良くなったとみることができる。
だが所得分位別に見ると話が変わる。実際に4-6月期基準で所得下位20%(1分位)世帯の月平均食費は41万ウォンだ。全消費支出125万2000ウォンで占める割合は32.8%で1年前の31.1%より増えた。統計庁が調査標本を全面改正した2019年以降から調べれば4-6月期基準で最も高い。所得下位40%(2分位)も食費の割合が31.8%で前年の30.8%より上昇し、4-6月期基準で最も高かった。これに対し中産層以上の3~5分位の食費支出の割合は1年前よりむしろ縮小した。所得上位41~60%の3分位は30.6%から29.7%に、所得上位21~40%の4分位は29.0%から28.5%に、所得上位20%の5分位は27.0%から26.6%に下落した。
低所得層であるほど高物価の影が濃厚に落ちているという意味だ。4-6月期の消費者物価は1年前より2.7%上がったが、そのうち食料品と非酒類飲料物価は4.9%上がった。1分位の場合、可処分所得は4.5%増加したが食料品と非酒類飲料物価がさらに大きく上がり関連支出が7.4%増えた。2分位もやはり可処分所得が4.9%増えたが食料品と非酒類飲料支出が8.6%上がった。
漢陽(ハニャン)大学経済学科のハ・ジュンギョン教授は「低所得層は可処分所得が大きくなったといっても所得自体が少ないため物価上昇の余波をもっと大きく受けるほかない」と話した。
食費支出が大きくなったため他の部門の支出は明確に減った。1分位の場合、教育関連支出が44.5%減った。厳しい暮らし向きに「最後の砦」とされた教育費支出を大きく引き締めたと分析される。
こうした流れを見せるのは韓国だけではない。日本も低所得層を中心にエンゲル指数が急激に上昇している。韓国と日本で食品価格上昇が目立つのは実質賃金停滞や高齢化のような構造的原因に加え、食糧自給率が低く供給網不安に対応できなかったためという分析が出ている。主要農産物をほとんど輸入に依存しているため世界的に供給網に衝撃が発生すれば食品物価が不安定になる。最近ドルが上昇し輸入物価負担が大きくなっている点も不安要因に浮上している。
専門家らは、短期的には食料品需給管理で物価安定を図る一方、中長期的には食品自立度を高める政策が必要だと口をそろえる。ハ・ジュンギョン教授は「特に割引支援品目選定時に低所得層の需要が多い食料品を中心に支援対策を立てなければならない」と提言した。
2024/11/26 10:50
https://japanese.joins.com/JArticle/326661