中国製電気自動車の恐ろしいほどの疾走が世界の製造業界の構造調整へと広がっている。激しく競争してきた日本の自動車メーカー2位ホのンダと3位の日産が経営統合に踏み切る。両社が統合する場合、現代自動車グループを上回り販売台数基準で世界3位の巨大自動車グループになる。
日本経済新聞とニューヨーク・タイムズなど外信によると、ホンダと日産は経営統合に対する合意書を近く締結する。持ち株会社を設立して両社がその傘下に入る案が有力だ。長期的には日産が筆頭株主である三菱自動車まで合流する可能性が大きい。ホンダと日産は現在持ち株会社の統合比率など細部事項を協議中だ。
3月に初めて協力計画を出した両社は今年8月に共同で次世代ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)プラットフォーム量産、電気自動車技術と部品の共通化などの協力を具体化してきた。経営統合は最初から「ひとつ屋根の下」で未来自動車競争力を確保するという試みだ。
両社が統合に踏み切ることになったのは電気自動車など未来モビリティ市場でトップ10にも入れないほど市場競争力を失ったためだ。1~9月基準で世界の電気自動車1位のBYDが22.3%、2位のテスラが11.0%と2社でこの市場の3分の1を占めている。フォルクスワーゲンが4位、現代自動車・起亜が7位、BMWが8位、ステランティスが9位だ。世界1位のトヨタも電気自動車では14位と出遅れている。今回の経営統合決定は米テスラの「革新性」、中国BYDの「価格競争力」など押されてきた日本車の苦闘という解釈が出ている背景だ。
日本市場まで明け渡している状況はホンダと日産の危機感をさらに育てた。2022年に日本市場に進出したBYDの今年1~9月の販売台数は1742台で昨年より96.6%増えた。日本の自動車メーカーの収益源だった東南アジアと南米など輸出市場もBYDが相次いで掌握し、ホンダと日産などの立ち位置が狭まっている。日産は相次ぐ経営悪化で先月には生産能力を20%、人員を9000人縮小する構造調整案を発表している。
こうした状況から未来モビリティ転換に向けた準備もまともに進んでいなかった。日産は2010年に電気自動車「リーフ」を出して電気自動車市場で序盤には善戦したが底力を発揮できず、ハイブリッドカーは開発もできなかった。電気自動車で出遅れたホンダは今年初めに「原点(0)に立ち返り新しい電気自動車を作る」として2026年からの「ゼロ」シリーズの量産計画を明らかにしている。
一方、世界最大の電子製品委託製造企業である台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)の日産買収の意向が両社に統合の決断を急がせたという分析もある。2019年に電気自動車市場進出を宣言した鴻海が苦戦する日産に関心を持っていたということだ。日経は「鴻海は日産への経営参画の手段として、仏ルノーが信託銀行に預けている日産株に着目した。現在も22.8%(9月時点)の日産株が信託銀行にあり、鴻海はその株式を取得すれば日産の経営に関与できると踏んだようだ」と伝えた。日経は鴻海の意図を確認した日産が防衛対策としてホンダとの合併を推進したという分析も加えた。
高麗(コリョ)大学自動車融合学科の鮮于明鎬(ソヌ・ミョンホ)客員教授は「電動化で遅れをとった両社の瀬戸際戦術」と評価し、「中国メーカーも合従連衡で規模をさらに拡大するとみられ、これからすべての自動車企業は中国企業と最終戦をしなければならないだろう」と話した。
2024/12/19 06:52
https://japanese.joins.com/JArticle/327570