関税爆弾を恐れ「100万ドルのトランプ保険」かける自動車会社

投稿者: | 2024年12月26日

トランプ次期米大統領が「関税爆弾」「電気自動車税額控除廃止」などを予告し世界の自動車業界が緊張している。ゼネラルモーターズ(GM)とフォードに続き24日には世界の自動車市場で販売1位のトヨタ自動車もトランプ氏の就任式に100万ドルを寄付することにし自動車業界の視線は現代(ヒョンデ)自動車グループに集まっている。トヨタ、フォルクスワーゲンに続く世界3位の現代自動車グループは今年に入り11月まで米国で154万8333台を販売し、GM、トヨタ、フォードに次いで4位だ。

自動車メーカーはトランプ氏が予告した「メキシコ製品25%関税」が現実化する可能性を懸念している。メキシコでの生産台数が最も多いのはGMだ。メキシコ国内の工場3カ所で年110万台を生産する。フォードもメキシコで2カ所の工場を運営し76万台を生産中だ。トヨタは米国市場を狙ったピックアップトラック「タコマ」が関税の影響圏にある。米国で年間20万~25万台売れるタコマはほぼ全量をメキシコで生産している。韓国の自動車メーカーでは起亜(キア)が「K4」(K3の北米版)をメキシコ工場で生産している。年間約12万台が米国に輸出される現地主力製品だ。

 このほかトランプ氏が主張し続けてきた▽電気自動車補助金縮小▽バッテリー原料関税賦課▽排出ガス規制緩和――などがどのように具体化されるかにより世界の自動車メーカーの今後の事業戦略が変わる恐れがある。

韓国の自動車業界では日本政府と企業が「チーム・ジャパン」の形で第2次トランプ政権に密着しているのに比べ、韓国は弾劾政局で政府がその役割をできずにいるとの評価が出ている。トランプ氏は16日にソフトバンクグループの孫正義会長とともに記者会見を行い、ソフトバンクグループの1000億ドルの対米投資計画を公開した。日本企業の投資というプレゼントを受けたトランプ氏はこの日、「日本は重要だ。石破茂首相とも会いたい」と話した。韓国自動車産業協会運営委員長を務めた法務法人太平洋のキム・テニョン顧問は「トヨタは米国で多くのロビイストを活用する巨大企業だが、日本企業の特性上政府と何の協議もなく単独で就任式への寄付決定をしたりはしなかっただろう」と話した。

現代自動車グループをはじめとする韓国企業がトランプ氏の選挙運動期間や就任式に寄付金を出したという話はまだない。企業はワシントンDCのロビーグループと個別契約したり、第1次トランプ政権と共和党にパイプがある人物を前面に出して備えているだけだ。

現代自動車グループは先月の人事で北米地域の販売通であるホセ・ムニョス氏を最高経営責任者(CEO)に内定し、ソン・キム元駐韓米国大使を対官・広報担当社長に起用し第2次トランプ政権に備えている。2020年には米国法人対官担当に第1次トランプ政権で国防次官補(立法問題担当)を務めたロバート・フッド副社長も迎え入れた。現代自動車は来年初めに竣工するジョージア州の「メタプラント」が本格稼動すればトランプ氏の「米国を再び偉大に(MAGA)」の基調に合致すると期待している。当初メタプラントを電気自動車専用工場として運営する考えだったが、トランプ氏の大統領当選後に現代自動車は戦略を修正しハイブリッドカーもともに生産することにした。

経済界では今回の就任式に招かれた韓国経済人協会の柳津(リュ・ジン)会長、新世界(シンセゲ)グループの鄭溶鎮(チョン・ヨンジン)会長らの役割を期待する雰囲気だ。財界関係者は「大統領代行も弾劾されるかどうかという韓国の現在の政治的状況で政府が企業とワンチームで第2次トランプ政権と接触するのに限界がないか」と話した。また別の大企業関係者は「交渉家であるトランプ氏が韓国政府と企業のこうした状況をどのように活用するのか心配になる。企業は現在としては政府に期待するものはなく、各自でやっていくほかない」と話した。

2024/12/26 06:57
https://japanese.joins.com/JArticle/327848

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