5年間で韓国の財政赤字500兆ウォン…直前10年の2倍超える

投稿者: | 2025年1月13日

最近5年間の韓国の財政赤字が500兆ウォン(約53兆円)に達すると推測される。直前10年間の2倍を超える規模だ。今後追加補正予算など経済対策が増え、財政健全性に対する警告音が大きくなっている。

韓国企画財政部によると、年間管理財政収支は2020年から昨年まで毎年100兆ウォン前後の赤字を継続しており、累積赤字は500兆ウォンほどに達すると分析される。2010年~2019年の直前10年間の赤字規模239兆ウォンを大きく上回る。支出増加と収入減少による結果だ。2020~2022年にはコロナ禍という突発変数のため支出が急増した。

 2023年からは税収減少が赤字の主要原因だった。昨年11月まで国税収入は315兆7000億ウォンで前年比約2.6%減ったが、法人税収が23%の17兆8000億ウォン減少した影響が大きかった。半導体景気不振と輸出沈滞の余波だ。こうした傾向はこの3年にわたり続いている。

赤字が積もれば金を借りるほかない。中央政府債務は2019年末の699兆ウォンから昨年11月には1159兆5000億ウォンに増えた。前年末の1092兆5000億ウォンから67兆ウォン増えた。これに対し国内総生産(GDP)比の一般政府負債(D2)の割合は2019年まで30%台だったが2023年末には50.7%に上昇した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が2022年5月に発足し、財政健全性を向上させると約束したが、悪化する速度を緩和しただけで悪化傾向を覆せなかった。

もちろん現在の負債比率は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の74.7%より低い。しかし米国の118.7%や日本の249.7%など基軸通貨国を除けば先進国に区分されるOECD加盟国の中で最上位圏だ。さらに深刻なのは、OECD加盟国は平均的に負債比率を低くする流れなのに、韓国は増やしている点だ。2016年から2023年までGDP比の一般政府負債比率上昇幅は比較可能な統計があるOECD非基軸通貨国31カ国のうち3位だ。

こうした悪化の流れは今年も続く恐れがある。9日に一歩を踏み出した与野党政府国政協議会では本格的に追加補正予算を議論する見通しだ。政局不安が景気を引き下げていることが追加補正予算論に火を付けている。これと別に経済成長率鈍化により財政支出を拡大しなければならないという声が昨年から続いている。

今年の下半期も政治日程により追加補正予算編成の可能性が大きいとの観測が出ている。ソウル私立大学のキム・ウチョル教授は「もし上半期に弾劾が確定すれば2カ月以内に大統領選挙を行わなければならない。そうなると次期政権が追加補正予算に出ることになるかもしれない。過去の事例に基づいた判断」と説明した。実際に盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)、文在寅(ムン・ジェイン)、尹錫悦の各政権はいずれも就任初年度に追加補正予算を編成し国会を通過した。新政権の政策基調を後押しする目的だ。

中長期的に国の財政を悪化させる案件が積み上がっている。何より世界最悪の少子高齢化にともなう福祉費用急増が財政健全性悪化をあおっていると指摘される。韓国租税財政研究院が9日に出した「財政フォーラム12月号」によると、韓国のGDP比の福祉支出の割合は昨年の15.5%から2035年にはOECD加盟国で最高水準となる28%に達すると予測された。

専門家らは「財政支出拡大が避けられないならば浪費要因を最小化すべき」と助言する。また、最小限の財政健全性を担保する財政準則をまとめなければならないという提案もソウル大学経済学部のホン・ソクチョル教授から出ている。財政準則策定の要求は2008年の世界的金融危機直後から出ているが、毎回座礁している。朴槿恵政権当時は国政介入事件のために、文在寅政権時はコロナ禍対応で財政を投じた時で動力を得られなかった。崔相穆(チェ・サンモク)大統領代行も昨年11月に与党が主催した討論会に参加し「財政準則の法制化という制度的改革が至急だ」と強調したが、2週間後に非常戒厳事態が起きて力を失った。

2025/01/13 07:31
https://japanese.joins.com/JArticle/328510

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