チョ・ヒョン外交部長官は、韓国は中国と良好な関係を維持すべきだとしながらも、中国の浮上にともなう国際秩序の変動については、米国・日本と協力することを望んでいると述べた。
チョ長官は、3日(現地時間)に公開されたワシントン・ポストとのインタビューで、2022年のロシアのウクライナ侵攻で国際安全保障の環境が完全に変わり、北朝鮮のロシア派兵などによって朝ロが接近し、地政学的な挑戦が強まっていることに加え、「東北アジアでは、中国が隣国と多少問題になっている(becoming somewhat problematic with its neighbors)」と言及した。
チョ長官は「われわれは中国が南シナ海と西海(ソヘ)で行ってきたことをみた。経済的にも中国は非常によく、あまりにも急速に発展したことで、競争相手となった」と付け加えた。中国が西海への構造物設置などで韓国との対立を引き起こしていることを、南シナ海の領有権問題とあわせて言及したのだ。
チョ長官はさらに「われわれは、中国の浮上と挑戦を強く警戒することになった」と言及した。続けて「われわれは、中国に『われわれは良好な関係を維持したいし、中国が二国間だけでなく領域内の懸案でも国際法を遵守するところをみてみたい』というメッセージを送ろうとしている」と強調した。
チョ長官は「そうした点でわれわれは日本とも協力する」として、最近の日本訪問の際には日本の外相と首相に会い、「われわれが領域内で直面している新たな挑戦について話した」とも述べた。チョ長官はその一方で、「私は同時に中国と関係を結ぶ必要性に注目した」として、「単に中国を封じ込めようとする試みは、われわれが望むほどには効果がないため」だと強調した。
チョ長官は「米国にもそのようなメッセージを伝えたか」という質問には、「これらすべてのことが、同盟国である米国との良好な協力のもとで行われるということを強調した」と答えた。チョ長官は先月31日から今月1日まで、ワシントンでマルコ・ルビオ国務長官、ホワイトハウス国家経済委員会のケビン・ハセット委員長、ホワイトハウス科学技術政策局のマイケル・クラツィオス局長や米上院の外交・国防委員長らと幅広く会談した。
米国内で中国牽制の要求が強まっている状況のもとで、チョ長官は、米国の懸念を韓国新政権は理解しており、米国・日本と協力するという意向を、今回のインタビューを通じて繰り返し強調したと解釈できる。中国との「良好な関係」の維持も強調したが、中国の反発を呼ぶ可能性もあるとみられる。
トランプ政権が推進している在韓米軍の役割変更問題について、チョ長官は在韓米軍の規模と役割は維持されると強調した。チョ長官は「われわれは米国と対話しているが、在韓米軍に対する懸念はない。われわれは、在韓米軍が現在のように残り、その役割も今と同じだと考えている」と述べた。在韓米軍縮小が韓米関係に及ぼす影響については「仮定の質問だが、そのようなことは起きないと考えている。今回、何人かの上院議員に会ったが、彼ら全員がそのようなことは起きないと私に確約した」と答えた。
今月行われる予定の韓米首脳会談で、在韓米軍の役割を「中国牽制」を中心に変更すべきだとする要求が議題に浮上する可能性がある。チョ長官はルビオ長官との会談でも、在韓米軍の役割と規模の変更をともなう可能性がある「同盟の現代化」問題も議論した。チョ長官は、帰国の際に記者団に、在韓米軍の役割変更について「(外相会談では)そこまで深くは踏み込まなかった」としながらも、「韓米連合の体制や在韓米軍の重要性、今後われわれにとっての挑戦要素になる国際情勢などを議論したが、それ以上は実務ラインでさらに協議していくことにした」と説明したりもした。
チョ長官は「ドナルド・トランプ大統領が関税交渉で韓国を恐喝したと感じているのか」というワシントン・ポストの質問については、「(米国が)貿易不均衡を正すために、韓国だけを指定したのではない」として、「われわれは(対米)貿易黒字を減らすことができるが、同時に、様々な製造業の分野で先頭を維持できる。われわれが東北アジアで直面する地政学的な挑戦のため、そのようにすることが、われわれだけでなく、米国にとってもきわめて重要だと考えている」と強調した。
一方、チョ長官のこのような言及に、在韓中国大使館は「現在の中国は、周辺国すべてと良好な関係を維持しており、絶対多数の周辺国も、中国との友好な協力を強化することを外交の優先方向としている」として、「中国は、韓国側と両国首脳間の重要な共通認識を着実に履行し、中韓戦略的協力パートナー関係をさらに高いレベルに引き上げるために努力していく」と表明した。
2025/08/04 22:25
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/53878.html