米国が従来の世界貿易機関(WTO)体制を越える新しい貿易秩序の樹立に入った。
グリア米通商代表部(USTR)代表は7日(現地時間)、ニューヨークタイムズ(NYT)への寄稿で、トランプ政権の貿易政策を「トランプラウンド」と命名し、これをWTOに代わる新しい世界貿易秩序と規定した。
グリア代表は第2次世界大戦以降ブレトンウッズ体制とウルグアイラウンドを経て設立されたWTOが米国に不利に作用してきたと指摘し、「いま我々はトランプラウンドを目撃している」と明らかにした。続いて4月2日にトランプ大統領が相互関税原則を発表して以降、各国と進めた一連の貿易交渉を過去の多国間貿易交渉と同じ「ラウンド」と見なした。
特に先月27日にスコットランドのターンベリーで発表された欧州連合(EU)との貿易合意について「具体的な国益に合う歴史的な合意」とし「新しい経済秩序がターンベリーで固まった」と評価した。
グリア代表は「トランプラウンドが始まって130日も経過していないが、ターンベリー体制の構築が本格的に進行中」とし、米国が関税という「ムチ」と世界最大消費市場という「ニンジン」を活用して短期間にWTO体制を通じて得たものより多くの海外市場接近を確保したと強調した。
また、EUだけでなく韓国、英国、日本、ベトナム、タイなどとの貿易合意にも言及し、多数の国が米国との貿易関係を再確立していると説明した。韓国に関しては「15%の相互関税、米国の自動車基準を受け入れた」とし、3500億ドル(約52兆円)規模の対米製造業投資にも言及した。これは米国造船産業の再建にもつながると評価した。
さらにWTO紛争解決手続きの代わりに「協定の履行を綿密に点検し、必要に応じてより高い関税率を迅速に再賦課する」とし、履行に強い意志を表した。
2025/08/08 15:57
https://japanese.joins.com/JArticle/337369