トランプvs反トランプ…貿易「合従連衡」時代(1)

投稿者: | 2025年8月10日

◇米国「WTO30年体制」終息宣言

全世界に向けられた米国の相互関税が米東部時間7日午前0時1分に発効した。これに合わせ貿易政策を総括する米通商代表部(USTR)のグリア代表は30年続いてきた世界貿易機関(WTO)体制の終息を宣言した。

 グリア代表はこの日、ニューヨーク・タイムズへの寄稿で「名目上の経済的効率性を追求して166の加盟国の貿易政策を規制するよう設計されたWTOは有名無実となり、これ以上世界秩序を維持することも、持続可能でもない」と書いた。その上で「いまわれわれは新しいトランプラウンドを目撃している」と主張した。第2次世界大戦末に米国主導の連合国が自由経済秩序確立案を議論し1945年にスタートさせたブレトン・ウッズ体制50年と、その後現在の多者貿易体制の根幹を成し遂げ30年受け継いできたWTO体制など80年の自由貿易秩序がトランプ大統領就任からわずか200日で終末を告げたという宣言だ。米国が68カ国と欧州連合(EU)に課した相互関税がこの日発効した。トランプ大統領自ら「解放の日」と命名した4月2日に相互関税を発表してから交渉と猶予を繰り返しながら127日ぶりのことだ。

これまで自由貿易を享受してきた世界経済は保護貿易という荒波に陥ることになった。各国が利益を守るために「関税戦争」に巻き込まれる可能性が大きくなり、世界経済の不確実性も増幅されるだろうという見通しが出ている。米国発の相互関税は国ごとに最低10%から最高41%が適用される。シリアが最も高い41%を適用され、ラオスが40%、ミャンマーが40%、スイスが39%など高率の関税が課される。だが国ごとに例外品目と投資規模がまちまちなため得失計算も複雑になった。

トランプ大統領は就任からわずか10日ほどの2月1日に麻薬類であるフェンタニルの流入をしっかり取り締まっていないという名分を掲げてメキシコ、カナダ、中国に関税を課すと発表した。続けて3月には鉄鋼とアルミニウムに品目関税を課し、4月には各国に対する相互関税を発表して世界経済を混沌の渦中に追いやった。また、4月と5月には自動車と部品に関税を課した。品目関税は指定した発効日に施行したが相互関税は8月1日まで猶予を繰り返し相手国と交渉を行った。

米国は英国と相互関税率10%をはじめ、ベトナムと20%、フィリピンと19%、インドネシアと19%、日本と15%、EUと15%、韓国と15%で合意した。関税率を下げる見返りに市場開放と投資の約束も取り付けた。

◇トランプ大統領就任200日ぶりに「80年自由貿易」幕を下ろす

関税率15%を条件にEUは6000億ドル、日本は5500億ドル、韓国は3500億ドルを投資することにした。対米投資と関連し、韓国政府はほとんどが貸付と貸付保証の形態だと説明するが、トランプ大統領は韓国、日本、EUの対米投資を米国が返す必要のない「プレゼント」と主張する。

2025/08/10 12:30
https://japanese.joins.com/JArticle/337383

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