ソウル市中心部の光化門広場で15日に開催される光復節の午後の行事に韓国野党・国民の力と改革新党は不参加を決めた。今年の光復節記念行事は午前と午後の2回に分けて行われるが、午後には祝賀形式で李在明(イ・ジェミョン)大統領の「国民任命式」が執り行われる。野党は午前中の公式行事にのみ出席し、午後の任命式には出席しないという。
野党が李在明大統領任命式に出席しない理由は、今回の光復節に断行される恩赦が理由だ。野党は李在明大統領が就任からわずか2カ月で行った恩赦の対象者に「納得し難い人物が複数いる」と主張しており、この指摘には多くの国民も共感している。息子娘の入試不正を共謀した曺国(チョ・グク)元韓国法務部(省に相当)長官夫妻は教育システムの根幹を揺るがし、尹美香(ユン・ミヒャン)元議員は日本軍慰安婦被害女性への寄付金を横領した容疑で有罪となった。贈収賄などの容疑で懲役2年が宣告された殷秀美(ウン・スミ)元城南市長、タクシー運転手を暴行し証拠隠滅を図ったとして有罪となった李容九(イ・ヨング)元法務部次官も今回恩赦の対象となった。
朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領や李明博(イ・ミョンバク)元大統領も国民任命式に出席しない意向をすでに表明している。また李在明大統領を後押しする全国民主労働組合総連盟(民主労総)も出席しないという。いわゆる「黄色い封筒法」が現時点で成立していないことがその理由のようだ。
光復節当日の大統領任命式は計画段階から様々な議論が巻き起こった。国を取り戻して80年を迎える喜びを分かち合うその本来の意味が色あせるとの懸念が広がったからだ。しかも光復から80年目の節目となる今年は戒厳や弾劾などが原因で3・1節や臨時政府樹立日など、光復につながる記念日が特に注目されることなく過ぎ去った。だからこそ今年は「光復節記念行事そのものに力を入れるべきだ」との意見が大勢を占めていた。
しかし李在明大統領があえて光復80周年のその日に任命式を行う理由は、自らの就任を韓国現代史における歴史的事件の一つにしたいという意向があるからだ。李在明大統領は昨年12月3日の戒厳令と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領弾劾、その後の大統領選挙当選に至るプロセスを「光の革命」と呼んでいる。3・1運動、光復、4・19革命、5・18光州民主化運動などを継承する意味合いを持たせたいようだ。
しかし大統領のこの思惑は左右双方からの任命式不参加通知で大きく色あせてしまった。イデオロギーや政派に関係なく和合の場とすべき光復80周年に国の完全分裂が改めて浮き彫りになった。
2025/08/14 10:20
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