【社説】製造業対策が抜けた国政課題…競争力強化案が必要=韓国

投稿者: | 2025年8月15日

国政企画委員会が先日提示した国政課題は新政府の政策ビジョンを幅広く反映していた。しかし韓国経済の根幹である製造業の振興対策が抜けていて、補完が急がれる。国内主力製造業の相当数がグローバル供給過剰など産業環境の変化で危機を迎えている。最も深刻なのが石油化学だ。中国発の低価格攻勢の直撃弾を受けた麗川(ヨチョン)NCCは共同大株主のハンファグループとDLグループがそれぞれ1500億ウォン(約160億円)ずつ緊急資金支援をし、不渡り危機を克服している。しかし構造改革なしに競争力を回復するのは難しい。

鉄鋼産業も中国・インド・日本・米国・欧州連合(EU)までが加勢した輸出競争激化と米国の品目別関税50%適用でふらついている。国内自動車産業も2010年代に国別生産量5位まで上がったが、最近はインドやメキシコなど新興国の生産増加で7位まで下がった。それだけ国内産業空洞化の懸念は強まっている。先月の製造業の雇用は13カ月連続の減少となった。国内半導体産業もエヌビディア・TSMCなどが威力を見せ、超格差が揺らいでいる。

 さらに韓国製造業を締めつけているのは「米国を再び偉大にする」というトランプ大統領の「MAGA」政策だ。超強大国の米国さえも製造業の復興なしに国家競争力の維持は難しいと判断し、半導体・自動車・バッテリー・鉄鋼・造船など製造業の競争力強化を進めている。もちろん先日発表された国政課題には半導体・自動車の輸出拡大が含まれていた。しかし問題は「どのように」という具体的な実行案が提示されていない点だ。国際格付け機関ムーディーズが最近、具潤哲(ク・ユンチョル)経済副首相と会って潜在成長率向上の必要性に言及したのも、結局は構造改革のための政策注文といえる。

しかし発表された国政課題からはそのような内容が抜けていた。AI(人工知能)3大強国を目標に100兆ウォン国民成長ファンドを設立すること自体はよい。しかしAIも製造業の支えがなければ意味がない。中国が実験室の研究を越えてAIをロボットなど実物に取り入れた「フィジカルAI」製品を相次いで出している点も製造業の重要性を表している。製造業の土台が脆弱ならAI技術にも限界があるということだ。

国内製造業は中国の技術崛起と米国の関税爆弾に対応するのも厳しい状態だ。こうした中、経営権を圧迫する「黄色い封筒法」や労災事故規制のため企業はさらに萎縮している。政府は0%台の低成長から脱出するためにも規制政策の速度を調節し、企業の投資活性化政策を出す必要がある。国の未来を左右する国政課題がバラ色計画に終わらないためには、それなりの手段と環境も提供されなければいけない。米国が高く評価する韓国の戦略的価値も製造業の競争力という点を忘れてはならない。

2025/08/15 16:21
https://japanese.joins.com/JArticle/337647

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