李在明(イ・ジェミョン)大統領が23日の日本の石破茂首相との首脳会談で韓日の「歴史」について発するメッセージの水準に関心が集まっている。李大統領は15日の第80周年光復節の祝辞で、「過去は直視するものの、未来へと向かう知恵を発揮すべき時」だと述べ、原則論的水準の立場を表明するにとどまっている。李大統領は今回の会談で、「まずパートナーシップ構築、後に歴史問題の解決」に乗り出すとみられる。
李大統領は8月15日の祝辞で「日本政府には、過去のつらい歴史を直視し、両国間の信頼が損なわれることのないよう努力してくれるよう期待する。その時、互いにとってより大きな共同の利益とより良い未来が開けると信じる」と述べた。歴史問題に沈黙してきた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権とは一線を画すものだ。さらに李大統領は「日本は庭を共に使う韓国の隣人であり、経済発展において切り離しては考えられない重要なパートナーだ。頻繁に会って率直に話し合いつつ、日本と未来志向的な共生協力の道を模索する」と述べた。歴史問題と経済協力を分離するツートラック原則を重ねて表明したのだ。
李大統領のこのような基調について、大統領室は「金大中(キム・デジュン)元大統領のモデルをベンチマーキングするもの」と説明した。「日本のある韓国、韓国のある日本」を強調した金元大統領の現実主義を引き継ぐというのだ。大統領室の高官は、「歴史の話を飛ばして未来を語ることはできないが、歴史問題の解決にしがみついていると韓日関係は一歩も進まない。特にトランプ政権の圧力に対する共同対応と10月の慶州(キョンジュ)APEC首脳会議を控えた状況にあって、歴史問題で日本と背を向けるのは外交的実益が大きくない」と語った。ひとまずシャトル外交の復元でパートナーシップを強化することに重点を置いてから、具体的な歴史問題の解決にも取り組む、という基調だ。
このような対日戦略は、就任直後の2017年の光復節の祝辞で「韓日関係の未来を重視するからといって、歴史問題に蓋をしてやり過ごすことはできない」と述べて、日本軍「慰安婦」被害者問題や強制動員問題の解決を正面から要求した文在寅(ムン・ジェイン)元大統領とも異なる。尹錫悦政権の3年におよぶ歴史的退行を経ただけに、歴史団体と被害者たちとしては失望するに値する。これこそ、「歴史正義と平和な韓日関係のための共同行動(韓日歴史正義平和行動)」が15日の声明で、「『実用外交』の名のもとに植民地支配の不法性と戦争犯罪に対する日本政府の謝罪・賠償という原則すら語らなかった未来志向は、空虚だ」として、李大統領の祝辞を批判した背景だ。
このような状況を意識した李大統領が取った選択肢は、「民意をなだめる」ことだとみられる。14日の「慰安婦」被害者メモリアルデーに、現職大統領としては初めてメッセージを送ったのが始まりだった。光復節の15日にも、歴代大統領で初めて「在日同胞たちは苛酷な労働現場で、とうてい言葉では言い表せない苦しみを経験した」として、在日同胞を慰める特別メッセージを発した。日曜日の17日午前には市民と共に、ソウル龍山(ヨンサン)のCGVで独立運動家の洪範図(ホン・ボムド)将軍の人生と2023年の「陸士胸像撤去問題」を扱ったドキュメンタリー映画「独立軍:終わらない戦争」を鑑賞した。歴史問題を解決するという意志には変わりがないことを示そうというものだ。
ただし、石破茂首相が全国戦没者追悼式で、日本の首相としては13年ぶりに「戦争への反省」に言及したため、韓日首脳会談で原則的な歴史問題の解決でコンセンサスを形成する可能性はある。石破首相は、9月初めに戦争に対する反省の意を込めた「総理個人の見解」を発表する考えを示している。石破首相は太平洋戦争敗戦80周年を迎えた15日に、歴代内閣が10年周期で閣議決定を経て発してきた首相談話を発表しようとしたが、「謝らない日本」を標榜した安倍談話で十分だという保守派に押され、談話発表をあきらめている。日本のメディアは、石破首相がメッセージを発するとすれば、日本が連合国に降伏する文書に署名した日である9月2日か、その後になると予想している。
2025/08/17 18:29
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/53990.html