米トランプ政権がインテルを生かすために一部株式取得を検討していることがわかり米国内で議論が加熱している。財政難に陥ったインテルに下す緊急処方が米国の半導体産業に薬になるのか毒になるのかに対してだ。
ウォール・ストリート・ジャーナルは16日、「インテル国有化の動きは長くは続かない」という見出しのコラムを掲載した。米国政府の株式取得でインテルに巨額の資金が輸血されても、インテルの問題はそれだけで完全に解決できないほど深刻だということだ。
ブルームバーグは14日に消息筋の話として「米国政府が資金を投じてインテルの株式を確保することを議論している。具体的な規模と条件はまだ調整中だ」と報道した。この計画は11日にトランプ大統領とインテルのリップブー・タン最高経営責任者(CEO)のホワイトハウスでの会談で初めて話し合ったという。ブルームバーグは続けて15日にはトランプ政権がインテルの株式取得に向けCHIPS法の資金を利用することを考慮していると報道した。
インテルに投資した資産運用会社ガベリーファンドのアナリストは「トランプ大統領はインテルが国内製造業を拡張しより多くの雇用を創出することを望むため米国政府がインテルの株式を取得する可能性が大きい」と分析した。インテルは立場を明らかにしていないが、トランプ大統領との面談後、「米国の技術と製造リーダーシップを強化しようとするトランプ大統領の努力を支援することにとても専念している」という声明を発表している。
政府が介入する場合、経営難に陥るインテルには大きな助けになるとみられる。2022年1-3月期以降インテル半導体のファウンドリー(委託生産)部門は四半期ごとに損失を出しており、今年4-6月期までの累積損失規模は196億ドルに達する。インテルは高強度のコスト削減と人員削減を実施しているところだ。
ブルームバーグは政府の株式取得により資金が流入すればインテルの財政状態が改善し、インテルが米オハイオ州に作ろうと計画している半導体工場建設にも弾みが付くと予想する。オハイオ工場は2022年着工し、2025年の完工を目標にしていた。だが財政難で2030年まで工事を延期した状態だ。
しかしウォール・ストリート・ジャーナルは「先端チップを製造できる唯一の米国企業であるインテルに対する政府の関心は現実的」としながらも「政府の支援が究極的にはインテルと米国の半導体産業の足を引っ張りかねない」とコラムを通じて指摘した。インテルのファウンドリーの技術力と効率性が落ちるのにアップルやエヌビディアなどが政府の関与のためにインテルのファブを使うことになるならば、これは米国の半導体産業全般の競争力低下につながり、「米国の技術優位」という政府目標にも反するということだ。
ブルームバーグもトランプ政権で核心産業の企業経営への政府介入がますます大きくなっていると指摘した。トランプ政権はエヌビディアの対中人工知能(AI)半導体輸出を許可する見返りとして売り上げの15%を受け取ることにした。また、日本製鉄のUSスチール買収を許可する代わりにUSスチールの主要経営決定を左右できる黄金株を取得することにした。
ただし今回の議論でインテルのタンCEOはその座を維持する可能性がみられるとブルームバーグは伝えた。
2025/08/18 09:58
https://japanese.joins.com/JArticle/337686