「電力半導体市場に投資しない韓国、日中台にも遅れている」

投稿者: | 2025年8月19日

先月14日に訪れた済州市(チェジュシ)の東済州変換所制御室。特殊処理されたガラス窓の向こうに銀色のパイプが見えた。済州で生産した交流(AC)電力を直流(DC)に変換した後に長さ98キロメートルの超高圧直流送電網(HVDC)を通じて莞島(ワンド)に送る所だ。反対に莞島で生産されHVDCを通じて入ってきた直流電力もここで交流に変換し済州各地に供給される。

済州道は4月に韓国で初めて一時的「RE100」(再生可能エネルギーで電力100%使用)を達成した。陸地と双方向の送電が可能な東済州変換所が稼動し電力系統の柔軟性が向上した結果だ。

 その中でも銀色のパイプが保護している電力半導体の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)は次世代電力網の核心装置だ。家庭と産業現場で使う電力は交流だが、高電圧長距離送電網では損失を減らすために直流に変換して移動する。高性能IGBTは高電圧・高電流を速やかに変換し電力・熱損失を減らす。

だが韓国は電力半導体全量を輸入している。済州変換所にも2020年に日本の日立エネルギーが買収したスウェーデンとスイスの合弁企業ABBのIGBTが使われた。

ソウル大学電気情報工学部のイ・ジョンホ教授は「現在電力半導体はあらゆる先端技術に使われる核心素子だが、韓国は過去に電力半導体研究をしながら市場が小さいという理由で投資しなかった。現在日本は世界トップグループで、中国と台湾も韓国よりはるかに先を行っている」と話した。

◇スウェーデン、30年にわたり次世代電力半導体研究支援

海外では電力損失率を最小化するため次世代電力半導体の素材研究に死活を懸けている。電力半導体大国であるスウェーデンは欧州3大国策研究機関であるスウェーデン国立研究院(RISE)で研究を長期的に支援している。

6月に訪れたストックホルムのRISE半導体クリーンルームでは研究員が設計から製造、測定まで全工程を進めながら電力半導体素材を研究していた。ここで開発したWBG素材は既存のシリコン素材と比べ電力損失率を50%低減できる。これを通じて冷却システム小型化、電力変換装置軽量化が可能で、高電圧・高効率時代の核心技術と評価される。すでに小型化されたノートパソコン充電器に使われており、電気自動車と再生可能エネルギー、HVDCなどでシェアを拡大している。

RISEのイム・ジャングォンWBG戦略技術研究責任者は「RISEは電力半導体研究に30年以上集中的に投資してきた。これを通じて現在3300ボルトに耐えられる高電圧電力半導体を電気自動車など産業現場で商用化した」と話す。

韓国でも昨年釜山(プサン)に電力半導体センターが設立されるなど、次世代電力半導体に対する関心が大きくなっている。亜洲(アジュ)大学電子工学科のホ・ジュンソク教授は「学部で電力半導体専攻者などが少しずつ出ているが、韓国には彼らが行けるほどの研究所や企業が不足し海外に抜け出ているのが実情。人材養成に向けた政府レベルの政策的後押しが必要だ」と指摘した。

2025/08/19 08:27
https://japanese.joins.com/JArticle/337720

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