没落するインテル、米国政府が筆頭株主に?…トランプの市場介入政策

投稿者: | 2025年8月19日

 没落する「半導体王国」インテルが米国政府所有の「国有企業」になるのか?

 半導体業界が米国トランプ政府の前例なき産業政策措置に当惑している。米国内の半導体産業復活のために政府が自ら筆頭株主になり民間企業を後押しするなど、市場介入に積極的に乗り出す姿だからだ。米国の自国企業育成の余波で、韓国企業が不利益を被る恐れがあるとの憂慮も出ている。

 ブルームバーグは19日(現地時間)「トランプ政権がインテルの持分約10%を自ら買収する方案を議論中」と報道した。これに先立ちインテルは、前任バイデン政権時に施行した「半導体法」に基づき、政府補助金109億ドルの支援を受けることになっている。これを全額株式に変えれば、米国政府がインテルの持分10%を保有した単一筆頭株主になれるということだ。現在、インテルの筆頭株主はブラックロック(8.92%)、ヴァンガードグループ(8.82%)など資産運用会社だ。

 トランプ政府がインテルの持分買収を検討するのは、米国内の半導体製造・生産サプライチェーンを強化する意図とみられる。現在、グローバル半導体の供給網は、米国企業が半導体設計を、韓国・台湾企業が製造を専門担当する分業構造だ。サムスン電子・台湾TSMCなどが米国に半導体工場を建てているが、政府持分投資を通じて「在来企業」であるインテルのファウンドリ(半導体受託生産)事業を露骨に後押しするという話だ。

 同日、日本のソフトバンクグループも20億ドルを投資し、インテルの株式を1株当たり23ドルで買い入れる契約をインテル側と結んだことを明らかにした。株式取得後の持分率は2%をやや下回る見通しだ。ソフトバンクグループの孫正義会長は「今回の投資でインテルが重要な役割を受け持っている先進半導体の製造と供給が米国内でさらに発展することを期待する」と話した。1月、5千億ドル規模の対米AIインフラ投資計画を発表した孫会長が再びトランプ政権を支援したわけだ。

 米政府がこのように私企業の大株主になってまで特定産業に直接介入するのは過去にはなかったことだ。金融危機当時、破産危機に追い込まれたゼネラルモーターズ(GM)に大規模公的資金を投入し一時的に筆頭株主になったことはあるが、インテルはこれとは事情が違う。

 トランプ政権の市場介入と統制措置はこれだけではない。米国防総省が先月、戦略鉱物である希土類鉱山の保有企業であるMPマテリアルズ優先株(15%)買収契約で筆頭株主に上がり、日本製鉄のUSスチール買収にも関与し、米政府が主要経営事案に拒否権を行使できる「黄金株」を受け取ることにした。NVIDIAなど米国企業が中国に輸出する低仕様AIチップの売上額の15%を政府が持つことにしたのも異例のことだ。

 産業研究院のクォン・ナムフン院長は「半導体市場は世界最高企業だけが生き残る激しい競争を繰り広げる状況だが、政府が直接救援投手として乗り出してもうまくいくかは疑問」としながらも「米国が半導体産業を自国内に誘致するという意志が確固たるだけに、韓国企業が反射的に困難を経験する恐れがある」と指摘した。半導体業界関係者は「政府の支援も重要だが、結局技術力に裏付けられなければならない問題」として「今後の動向を見守る」と話した。

2025/08/19 18:54
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/54002.html

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