◇韓国のカードは「造船協力」…高位層は誰?
韓国政府は造船業協力強化を米国の要求に対応するカードに掲げる考えだ。李大統領の短い訪米期間中、ワシントンから離れたペンシルベニア州フィラデルフィアにあるハンファ・フィリー造船所を訪問する日程を組んだ理由もそこにある。
ハンファ・フィリー造船所は昨年12月、ハンファグループが1億ドルを投資して買収した造船所で、関税交渉の過程で決定的役割を果たした韓米造船協力「MASGA(Make American Shipbuilding Great Again)」プロジェクトの核心とされている。現在、ハンファ・フィリー造船所では米連邦海事局(MARAD)が発注した国家安全保障多目的船(NSMV)5隻が順次建造されている。
トランプ大統領も韓国との造船業協力について繰り返し言及してきた。これに関連して韓国大統領室は、李大統領の造船所訪問日程を紹介して「米国側高位要人」が同行する可能性があることを示唆した。しかし李大統領が訪日を終えて米国行き専用機に搭乗したこの日まで、造船所訪問に高位要人として誰が同行するのかを含めて具体的な内容は公開されていない。
◇1期の時は原子力潜水艦…今回は原子力協定改正?
今回の会談で、韓米原子力協定改正の議論開始を公式化する可能性があるとの観測も出ている。現在、韓国は2015年に改正された協定に基づき、米国の同意を得て初めて20%未満でウランを濃縮でき、使用済み核燃料の再処理はできない。
特にこの制限は日本には適用されていない。このため原子力協定の改正は韓国の対米外交の長年の宿願事業とされてきたが、米国はウラン濃縮と再処理が核兵器の原料となるプルトニウム抽出の潜在能力と直結するという理由で、協定改正に難色を示してきた。ところが魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は22日の記者懇談会で「首脳会談を通じて(原子力協定に関連する)進展を作りたい」と述べ、関連議論が首脳会談の議題に含まれる可能性を示唆した。
ただし原子力協定改正の議論が進んだとしても、米国がどこまで同意するかは未知数だ。実際、トランプ1期政権の際、両国は韓国の原子力潜水艦導入問題を公式的に議論したものの、結局導入現実化までには至らなかった。
魏室長はこの日、日本を発つ直前に行った記者会見で「(議題調整が)進んでおり、首脳会談を行う時期になれば調整が整うことを期待している」と述べた。李大統領としては、初の首脳会談の議題調整を終えられぬまま米国行きの飛行機に乗り込む格好となった。
2025/08/25 08:40
https://japanese.joins.com/JArticle/337926