韓米首脳会談が1日先に迫った。経済・産業分野で注目されている主要議題は大きく3つだ。①造船業のMASGAプロジェクト②対米投資パッケージ③原子力発電協力だ。
両国は先月30日の関税と関連して大きな枠組みで合意に達したが、今回の首脳会談を契機にこれを具体化する作業が進められる見通しだ。ただ米国が先月決着させられなかった農畜産物とデジタル分野の非関税障壁解消を要求する可能性も提起される。
産業通商資源部など関係官庁によると、産業通商資源部の金正官(キム・ジョングァン)長官と呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長が首脳会談に先立ち訪米し、先月30日に妥結した関税交渉の後続議論を進めている。22日に出国した金長官はラトニック米商務長官、ライト米エネルギー長官と会った。先に米国入りした呂本部長も米通商代表部(USTR)のグリア代表と会った。
韓国大統領室は12日に、「今回の首脳会談で韓米首脳が関税交渉結果を基に半導体・バッテリー・造船業など製造業分野を含んだ経済協力と先端技術、核心鉱物など経済安全保障パートナーシップを強化するため協議するだろう」と明らかにした。
韓米両国は先月30日に米国が韓国に課すことにした相互関税を25%から日本と欧州連合(EU)などと同じ15%に引き下げ、自動車品目関税25%を15%に調整することで合意した。このため韓国は米国に総額3500億ドル規模の対米投資パッケージと1000億ドル規模のエネルギー輸入などを約束した。
だが対米投資パッケージで具体的実行案まですべて合意したものではなかった。関税交渉直後に米国は「対米投資で発生した投資収益の90%を米国が持っていく」と明らかにしたが、韓国政府はこれを「再投資概念」と説明するなど溝が残っている分野だ。今回の首脳会談を契機に投資分野と時期、方法に対する具体的計画が発表される可能性が大きい。
対米投資パッケージのうち1500億ドル規模のMASGAプロジェクトに関心が集まる。通商当局によると、先月の交渉後に双方は造船業の投資方式について意見を交換してきた。細部的には▽韓国企業が米国の造船所を追加で買収して運営▽現地に造船所を新設▽韓国の造船所で米国の艦艇や商船を作って供給▽米国で造船専門人材養成プログラムを施行する――などが議論されている。これに合わせて李在明(イ・ジェミョン)大統領は首脳会談翌日にハンファが買収したフィリー造船所を訪問する。
今回の首脳会談にはサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長、現代自動車の鄭義宣(チョン・ウィソン)グループ会長、LGグループの具光謨(ク・グァンモ)会長、ハンファグループの金東官(キム・ドングァン)副会長ら韓国主要企業オーナーら最小16人が経済使節団として同行する。これら企業を中心に追加的な対米投資計画が提示される可能性も提起される。
韓米間の原発協力も主要議題に浮上している。トランプ米大統領は5月に米国の原発電力容量を現在の約1億キロワットから2050年までに4倍水準である4億キロワットに拡大する大統領令に署名した。米国は交渉過程で自国の原発拡大計画を紹介しながら韓国企業の積極的な役割を期待するという意向を明らかにしたりもした。原発公企業である韓国水力原子力と韓国電力の社長も首脳会談に合わせてすでに米国を訪問し、ウェスチングハウスを含んだ米国の原子力関連企業と会って協力案を協議中だ。
ただ今回の首脳会談を通じ、関税交渉でセンシティブな争点だった農畜産物・デジタルなどの分野の非関税障壁問題が再点火する可能性もある。魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安全保障室長も22日にコメ市場開放拡大と米国産牛肉輸入制限解除など農畜産物問題に対し「米国が提起しているのは事実で、協議が進行中。基本の立場に基づいて対処中」と話した。
通商専門家は「関税交渉で農産物分野をめぐり米国は『韓国が市場を完全に開放した』と述べたが、韓国政府は『コメ・牛肉市場を守った』と主張し大きな溝を示した。追加的な市場開放は守っても検疫手続き改善などは議論になる余地が十分だ」と説明した。先月の関税合意の際に議題から抜けていたオンラインプラットフォーム法、高精密地図搬出許容に関する問題も米国の貫徹の意志が強く再議論は避けられない見通しだ。
高麗(コリョ)大学国際大学院のパク・ソンフン名誉教授は「交渉で口頭合意をしたのでこれを文書化する作業が必要だ。この過程でトランプ大統領が農産物などに対して合意と異なる突発的な要求をする可能性があるだけに備えがなければならない」と説明した。
2025/08/25 10:36
https://japanese.joins.com/JArticle/337938