文書なしの合意でも「成功」「双方に得」と喧伝していたのに…膠着状態に陥った韓米関税交渉

投稿者: | 2025年9月13日

 【TV朝鮮】(アンカー)

 韓米関税交渉が行き詰まった状態に陥っているのは、細部の事項を巡って意見の違いが大きいためです。3500億ドル(約51億円)という天文学的な金額の対米投資金をどのように使い、利益はどのように分けるかについて何も決まっておらず、コメと牛肉を含む農産物開放を米国が強く要求しているといいます。そもそも国家間の通商合意を文書もなく口頭のみで進めたのが不確実性を高めているとの指摘も多くあります。イム・ユジン記者がお伝えします。

 (記者リポート)

 今年7月に韓米関税交渉を終えた韓国政府は「双方にとって得になる結果だ」と評価しました。

 (具潤哲〈ク・ユンチョル〉経済副首相〈今年7月〉)

 「国益中心の実用外交のため、守るべきことは守りつつ、相互互恵的な結果を成し遂げたと評価しています」

 ところが、口頭だけで行われた合意を文書化する過程で、後続の交渉はなかなかスピードを上げられず、空回りしています。

 意見の隔たりが最も大きいのは3500億ドルと約束した対米投資金の投資先と利益配分方式です。

 米国は、日本と合意したモデルのように米国が望むところに投資し、収益の90%を取るという考えですが、韓国側は保証中心の間接支援方式にこだわっています。

 日本のような収益配分方式も受け入れられないという立場です。

 敏感な農産物分野でも、「追加開放はない」という韓国側とは違い、米国は非関税障壁の解消に向けて圧力をかけ続けていると言われています。

 順調だと思われていた関税交渉が暗礁に乗り上げていることから、韓国の交渉チームは自らが取った「あいまい戦略」に足を引っ張られていると指摘する声が出ています。

 (姜仁洙〈カン・インス〉淑明女子大学経済学部教授)

 「その時、韓国に不利な点があれば積極的にアピールして、直した上で文書化するのが正しいやり方でしょう…性急な面もありましたし…」

 行き詰まり状態を打開するため、金正官(キム・ジョングァン)産業通商資源長官が急きょ米国に向かいましたが、ジョージア州にある韓国企業工場建設現場で韓国人労働者が拘束された事件によって両国政府間の感情の溝が深まっており、交渉はさらに難航する可能性が高まっています。TV朝鮮のイム・ユジンがお伝えしました。

(2025年9月12日放送 TV朝鮮『ニュース9』より)

2025/09/13 10:20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/09/13/2025091380029.html

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