国際貿易通商研究院「韓国は10大輸出国の中で品目と市場が最も狭い」

投稿者: | 2025年9月19日

 韓国は昨年、高度化した製造業を基盤として世界6大輸出大国へと成長したが、品目と市場が過度に偏っているという構造的な限界があるとする分析が示された。米国との関税交渉のような不確実性に弾力的に対応するためには、輸出の多角化が必要だと指摘される。

 国際貿易通商研究院が18日に公開した「韓国の輸出の多角化の現状と輸出の継続および成長に及ぼす影響の分析」と題する報告書によると、昨年の韓国の輸出相手国のHHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)は918、輸出品目のHHIは520で、香港を除く世界10大輸出国の中で最も高い水準だった。HHIとは企業の品目や売上などの集中度を評価する指標で、数値が低いほどポートフォリオが多角化していることを意味する。

 韓国は輸出規模が類似する日本(892、389)、フランス(549、118)、イタリア(486、108)などの中で、輸出品目と輸出市場いずれも最も偏っていた。主な輸出国の中で唯一、上位10大品目が輸出全体の50%を超えており(50.2%)、上位10大輸出相手国への輸出額の割合が輸出総額の70.8%を占めていた。

 報告書は、不確実な対外貿易環境に対応するためには輸出の多角化が必要不可欠だと強調した。研究陣が韓国貿易協会のメンバー企業9万2385社の最近15年間(2010~2024年)の輸出実績を分析したところ、輸出相手国が1国増えれば輸出中断リスクが5.4%、輸出品目が1つ増えれば1.2%低下した。また、同期間に輸出を継続した2万2755社を分析したところ、輸出相手国が1国増えれば企業の年間輸出額が7.8%、輸出品目が1つ増えれば1.1%増加していた。輸出する市場と品目が多様なほど、成長が長続きするということだ。

 産業別にみると半導体、石油製品、自動車および部品は技術の発展につれて輸出スペクトラムが拡大するとともに、HHIが低下する様相を示した一方で、船舶、医療、化粧品、無線通信機器は少数の主力品目の輸出割合が増えるにつれてHHIも高まった。企業規模でみると、中小および中堅企業のかなりの数が単一市場、単一品目の輸出構造となっているため、各国の需要の変動、原材料価格、為替レートの変動などの外部変動性にぜい弱だった。研究陣は、輸出相手国が5カ国以上、輸出品目が20品目以上の企業は輸出の継続確率が50%を超えるが、単一市場、単一品目の輸出企業が輸出を継続する確率は35%にとどまると分析した。

 韓国貿易協会のシム・ヘジョン首席研究員は「米国、中国などの既存市場で蓄積された経験を生かして新たな輸出機会を確保するとともに、対外環境の変化に弾力的に対応できるよう輸出を多角化すべきだ」と強調した。

2025/09/18 16:17
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/54262.html

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