「価格暴利時代終わらせる」…トランプ大統領の圧力で薬価格下げたファイザー

投稿者: | 2025年10月2日

世界的製薬会社のファイザーが米国に700億ドル(約10兆円)を投資して薬の価格を引き下げる代わりに3年間にわたり医薬品関税適用の免除を受けることで米トランプ政権と合意した。トランプ大統領が2カ月前に先進国最低水準まで医薬品価格を下げろと圧迫したのに伴ったものだ。

トランプ大統領は先月30日、ホワイトハウスでファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)と会見し、「ファイザーがメディケイド(低所得層公共医療保険)に適用されるすべての薬と今後出る新薬に最恵国待遇(MFN)価格で販売することにした」と発表した。すなわち米国以外の先進国に適用する価格のうち最低価格で米国市場に流通するという意味だ。ニューヨーク・タイムズは「米国で適用される新しい価格はカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、スイス、デンマークなどで提示される価格と比較評価されるだろう」と伝えた。

 トランプ大統領は7月31日にファイザーなど17の世界的製薬会社に公開書簡を送り、60日以内に薬の価格を先進国水準に下げる具体的な案をまとめるよう促した。「米国が世界平均より3倍も高い薬代を払っている」と不満を示しながらだ。実際にトランプ大統領の主張を裏付ける統計はある。昨年2月に米公共政策研究機関のランド研究所の発表によると、米国の医薬品価格は経済協力開発機構(OECD)加盟32カ国と比べ2.78倍高いことがわかった。

トランプ大統領はこの日も「この果敢な措置を通じ米国の家庭を犠牲にして世界的に価格暴利をむさぼる時代を終息させる」と話した。世界的製薬会社が米国だけで医薬品を高く売りこれまで新薬開発に必要とされる莫大な研究開発費用を調達してきたというのがトランプ大統領の認識だ。CBSは「医療保険がない人たちや薬代の負担が大きい層の生計に大いに助けになるだろう」と伝えた。

ファイザーは薬価格引き下げと別個に米国内の製造施設に700億ドルを投資することにした。トランプ大統領はこれに対する見返りとしてファイザーに対し3年間にわたり医薬品関税を免除することにした。トランプ大統領は「(ファイザーは)関税を全く出さないだろう。米国に(工場を)移せば関税がないため」と強調した。

ホワイトハウスによると、早ければ来年初めにトランプ大統領の名前が入った政府運営医薬品販売サイトもスタートする。トランプ大統領の名前と処方せんを意味する略語であるRxを合わせた「トランプRx」だ。消費者が割引された価格でメーカーから直接薬を購入できるようにするという趣旨だ。ファイザーもこのサイトに出店する。ファイザーは「多くの1次診療治療剤と一部厳選された専門医薬品ブランドを最大85%、平均50%まで割引された価格で提供するだろう」と明らかにした。

トランプ大統領が製薬業界を狙ったのは今回が初めてではない。先月22日には世界で広く服用される解熱・鎮痛剤であるタイレノールの妊婦への服用中断を主張した。「タイレノールの主成分であるアセトアミノフェンは自閉症のリスクを高める」としながらだ。タイレノールもトランプ大統領が薬剤価格引き下げを促した会社のひとつであるジョンソン・エンド・ジョンソンが作っている。世界保健機関(WHO)は「タイレノールやワクチンが自閉症を誘発するという報告はない」と正式に発表している。

2025/10/02 08:29
https://japanese.joins.com/JArticle/339357

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