「ネイバーの痕跡」消すLINE…業務用クラウドウェアもグーグルに変更

投稿者: | 2025年10月2日

韓国ネイバーの関連会社LY(LINEヤフー)に残っていた「ネイバーの痕跡」がひとつふたつと消されている。これまで使ってきたネイバーの業務用クラウドグループウェア「LINE WORKS(韓国でのサービス名・ネイバーワークス)」をグーグル製品に変更することにしてだ。ネイバーがLINE WORKSを世界的成果として掲げる中で、LINEヤフーが顧客から抜け出ることになればネイバー事業にも支障が避けられないという声が出ている。

◇どんなことが

 LY内外での取材を総合すると、LYの韓国法人格であるLINEプラスは来年から社内グループウェアとして使っていたネイバーワークスをグーグルワークスペースに変更することにした。会社関係者は「グーグルの生成AIジェミニを便利に活用できるグーグルワークスペースを通じて業務効率性を高めるのが目的」と明らかにした。今回の交代は最近カカオ本社の一部部署が「カカオワーク」など自社ツールの代わりに外部ツールのスラックを使ったのと違い、本社であるLYが下した全社的次元の措置だ。日本と韓国以外の台湾やタイなどの海外支社もLINE WORKSの代わりにグーグルワークスペースを使うことになる。

◇LINE WORKSとは

LINE WORKSはメッセージ、メール、カレンダー、スケジュール管理、オンライン会議など業務に必要な機能を提供する企業用業務ツールだ。ネイバークラウドが運営するため韓国では「ネイバーワークス」としてサービスする。競合としてはマイクロソフトのティームス、グーグルワークスペース、セールスフォースのスラック、カカオワークなどがある。2016年にネイバー系列会社であるワークスモバイルジャパン(現LINE WORKS)が日本の国民的メッセンジャーのLINEを前面に出し日本で事業を始めた。ネイバークラウドによるとLINE WORKSは昨年日本の業務用有料メッセンジャー市場でシェア40%を超え2017年から7年連続1位となっている。

◇どんな意味が

LINE WORKSはメッセンジャーのLINEとシナジーを出し日本市場で独歩的1位に上がることができた。このためLYがLINE WORKS顧客から抜けるとネイバークラウドの関連B2B(企業間)事業に支障が生じる恐れがある。ネイバーは7月に「LINE WORKS日本発売10周年」懇談会を開き、世界市場攻略計画を明らかにした。IT業界関係者は「LINE WORKSが日本で成果を出したのはネイバーの事業がうまかったという理由もあるが、LINEのブランドとサービスの影響が大きい。日本など海外ではLYがLINE WORKSの代わりにグーグル製品を使うのが生産性向上にグーグル製品がより卓越しているという意味と解釈されるかもしれない」と話した。

LYは「生成AI導入においてマルチベンダー戦略によりチャットGPTエンタープライズ(企業用)も活用している。今後AI機能の円滑な融合に向けグーグルワークスペースを導入するもの」と説明した。昨年7月のLYの公示によると、LYはネイバーとネットワーク分離に向け人事システムなどを含めた主要内部システムを来年3月末まで段階的に移転する計画だ。日本総務省はネイバークラウドが委託管理したLYのシステムで顧客情報流出事故が発生すると、LY親会社の株式50%を持つネイバーとの資本関係を見直すよう行政指導している。ただLYは「今回の業務ツール変更は総務省の勧告のためというよりは生成AIを積極的に活用するための次元」と強調した。

◇ネイバーの立場は

ネイバーは社内の事業部が関連内容を認知しており、LYがLINE WORKSを使わなくても事業に及ぼす影響は限定的という立場だ。ネイバークラウドは「契約状況については確認できないが、LYがLINE WORKSを使わなくてもネイバークラウド事業に及ぼす影響は限定的。LYはMS、グーグルワークスペース、スラックなどのツールを使用中で、業務ツール使用は独自の判断領域と理解している」と明らかにした。

2025/10/02 10:45
https://japanese.joins.com/JArticle/339371

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