警察が2日、李真淑(イ・ジンスク)前放送通信委員会委員長を逮捕したことについて、韓国の法曹関係者の間では「警察の捜査が行きすぎているのは明らかだが、これを容認した検察と裁判所はなおのこと問題だ」と指摘する声が上がっている。警察の出頭要求はきちんとなされたのか、令状請求と発行の要件はそろっていたのか、検察と裁判所が精査していなかったということだ。逮捕状の発行率は年間97%に達しており、「裁判所は令状の自動販売機になった」という声も聞かれている。
元次長検事のキム・ジョンミン弁護士は3日、「李真淑前委員長を逮捕した警察も問題だが、間に入ってこれを精査・選別しなければならない検察と裁判所が逮捕状発行を承認したことの方が問題だ。警察に対する司法的統制が正常に機能していないということだ」と語った。 警察が申請した令状は検察が請求し、裁判所が発行するかどうかを決めることになっている。法的要件を満たし、容疑者の基本権を保護するための二重統制装置だ。キム・ジョンミン弁護士は「逮捕状は正当な理由なしに出頭に応じず、犯罪の容疑が重大・明白な場合に例外的に発給される。欠席理由書を提出し、警察と事前に出頭日程を調整していた李真淑前委員長に対して逮捕状が請求・発行されたのは納得し難い」と述べた。
ある刑事専門弁護士は「警察と検察が政権の顔色をうかがって令状を申請あるいは請求したとしても、裁判所でこれを精査・選別できなかったのは疑問だ」と言った。元判事のある弁護士は「身柄拘束に無感覚な裁判所が『令状の自動販売機』になり、機械的に逮捕を容認したようだ。李真淑前委員長事件は政治的な事件なので、より慎重に判断すべきだった」と語った。
韓国の裁判所は毎年約3万件に達する逮捕状請求のうち、97-98%を発行している。「諸外国と比べて韓国の裁判所は身柄拘束にかなり寛大だ。世界の治安や刑務所に関する統計データをまとめた「ワールド・プリズン・ブリーフ(WPB)」の2020年報告書によると、韓国は罪が確定していない状態で逮捕または拘束される未決収容者が人口10万人当たりに38人であることが分かった。これはアジア平均(30人)や欧州平均(27人)より多い。また、日本(5人)、台湾(11人)、ドイツ(16人)などの主要国と比べて高い水準だ。
パン・グクリョル記者、キム・ウンギョン記者
2025/10/04 10:00
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