【コラム】韓日経済統合、感情より計算が先だ

投稿者: | 2025年11月3日

株式市場で韓国総合株価指数(KOSPI)5000ポイント達成への期待が高まっている。7-9月期の国内総生産(GDP)成長率も1.2%を記録し、年間1%成長の可能性を高めている。だが韓国経済の中長期見通しは依然として明るくない。

対応策として最近財界を中心に韓日経済統合が提起されている。韓日経済統合は短期的でも長期的でも両国に相当な利益をもたらすものと評価される。

 経済統合は自由貿易協定(FTA)から始まり、関税同盟、共通市場、経済同盟、完全経済統合の順に発展できる。関税同盟は域内自由貿易という点ではFTAのようだが、非加盟国に対して同じ共同関税を課す点で異なる。共通市場はこれに加えて労働と資本など生産要素の移動まで自由化する。

現在韓日間には地域的な包括的経済連携(RCEP)など多国間FTAを通じて部分的に自由貿易協定が結ばれた状態だ。関税同盟を念頭に置いて効果を考えると、短期的に貿易創出効果が大きく現れると期待される。貿易創出効果は国内で生産された商品が関税撤廃によりさらに効率的な関税同盟国に輸入され消費者の厚生と生産効率が向上する。この効果は両国の産業構造が競争的であるより補完的である時に最大化する潜在力が高い。韓国の主力産業である半導体や自動車と、日本の素材・部品・装備産業は相互補完性が明確に現れ大きな貿易創出効果が期待される。

さらに注目すべき部分は短期利益よりはるかに大きい長期的・動態的利益、すなわち競争深化、規模の経済、投資増大などの効果だ。統合経済内の生産者は競争深化に対応するため効率性を高めなければ倒産するほかないため全般的な競争力が強化される。

韓日統合経済圏が形成される場合、GDP6兆ドル(韓国1.9兆ドル、日本4.0兆ドル)規模で米国と欧州連合(EU)、中国に続き世界4大経済圏を構成し、規模の経済を達成できる。合わせて対外交渉力強化や競争激化と市場拡大に対処するための投資増大効果も期待できる。

もちろん両国間の経済統合には歴史問題など難関が置かれている。製造業分野だけでなく農漁業など敏感な産業で国内の産業に影響を与える可能性もある。また、日本製品が中国と台湾など第3国の効率的な製品に代わる貿易転換効果が発生するかもしれない。

問題は少なくないが、段階別経済統合の長短所の把握と問題解決に向けた研究などの準備は至急だ。韓国経済の未来に対する答えを探すのが難しい上に日本もやはり同様の必要性を感じている可能性が大きい。

シン・ミニョン/弘益(ホンイク)大学経済学部招聘教授

2025/11/03 17:36
https://japanese.joins.com/JArticle/340554

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