「日本での『82年生まれ、キム・ジヨン』旋風、10年前には想像できなかった」

投稿者: | 2025年11月7日

 「『82年生まれ、キム・ジヨン』が2018年に筑摩書房で出版されたところ、文庫本を含め29万部を売り上げる大ヒットを記録した。10年前でさえ想像できなかったことだ」(筑摩書房の河内卓・ちくま文庫編集長)。

 韓国出版人協会(イ・グァンホ会長)は、文化体育観光部と韓国出版文化産業振興院の後援で4日から7日まで、国際交流イベント「2025アジア出版週間」を開催した。「アジア文学の新たな地平」をテーマにした今回のイベントには、中国、日本、台湾、インドネシア、ベトナム、タイなどアジア9カ国の出版関係者14人が参加した。

 6日午後2時30分、ソウル市麻浦区(マポグ)にある創批西橋ビルの50周年ホールで「2025アジア・パブリッシャーズ・フォーラム」が開催された。KLマネジメントのイ・グヨン代表は基調講演で「世界各国の文学水準はすでに平準化され、優れた芸術的価値を持つ作品であれば、短期間で成果が出なくても、あきらめてはならない」として、ハン・ガン(韓江)のノーベル文学賞受賞後に考慮すべき戦略的要素などを共有した。

 続いて登壇した河内卓編集長は「(日本における)韓国文学の主な読者層は女性で、多くの読者がフェミニズムに対する関心から韓国文学にひかれている。近現代史や現代政治の状況にも強い関心を示している」と述べた。台湾の寂寞出版社の朱玉立編集長は「2025年だけで韓国の書籍は106冊も出版された。特に、『不便なコンビニ』は3年連続でベストセラーとなり主要チャートの1位を記録し、100刷を超えた」と明らかにした。

 インドネシアのBACA出版社のアニサ・ハサン・シーハプ代表は「インドネシアでは読書率が低いが、2024年のノーベル文学賞受賞の発表後、ハン・ガンの作品はわずか1カ月で4000部が売れた。ハン・ガンによって促進された韓国文学の成長後、アジア文学を出版するインドネシアの出版社数は5社から数十社に増えた」と述べた。インドネシアでは、チョ・ナムジュの『82年生まれ、キム・ジヨン』、申京淑(シン・ギョンスク)の『母をお願い』、チョン・ユジョンの『種の起源』などに関心が集まった。特に、『82年生まれ、キム・ジヨン』は出版からわずか1カ月ほどでベストセラー1位を記録した。

 この日のフォーラムでは「2025アジア・ブック・アワード」の授賞式が同時開催され、「今年を輝かせたアジアの本」として、『一人称の貧困』(アン・オン著、マティ刊・韓国)、『戦争・植民地支配とアーカイブズ』(日本)、『周官と周の制度』(中国)、『辺境から中心に』(台湾)を選定し、賞を授与した。

2025/11/06 19:04
https://japan.hani.co.kr/arti/culture/54665.html

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