26日に開かれた韓中会談と韓日首脳会談では供給網不安に対応するための「最小限の安全弁」用意について共感がなされたという分析が出ている。経済安全保障分野で米国の圧力に対抗し韓国との接触面を広げようとする中国と、供給網不安の衝撃を軽減する装置を用意しようとする韓国との利害関係がある程度合致した結果とみられる。
◇韓中輸出統制対話体立ち上げ
26日にソウルの大統領室で開かれた尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と中国の李強首相との会談では、韓国産業通商資源部と中国商務省の間の協議体となる韓中輸出統制対話体を立ち上げ、供給網協力強化に向けた疎通の窓口とすることにした。韓中間で輸出統制を協議する別途のチャンネルができるのは事実上初めてだ。
米バイデン政権は世界的供給網から中国を分離する「デカップリング」から国家安全保障に直結する先端技術など特定分野を中心に中国を排除する「デリスキング」に基調を転換したが、中国は事実上違いはないとみている。韓米日が供給網分野で協力を継続する中で中国の立場では先端技術分野でリードする韓国との協力が必要だ。これと関連し、対話体立ち上げも中国側が積極的に要請した結果という。
韓国の立場ではこれを代表的な中国発の供給網危機だった2021年の「尿素水大乱」のような状況が再び起きる場合に備えて中国側とより効率的に疎通するのに活用できる。現在も駐在公館次元で疎通が行われてはいるが、事前の兆候をいち早く捕捉できず早期対応に失敗したり直接的疎通が難しい場合があった。
◇「供給網危機管理」協力約束
今回の対話体立ち上げは依然として供給網協力の主要軸は韓米同盟に置きながらも、国民の実生活に波及する状況に備えた最小限の安全弁を用意しようとの趣旨とみられる。両国とも表現は「供給網協力」としたが、「供給網危機管理」に近い側面がある。国家安全保障室の金泰孝(キム・テヒョ)第1次長はこの日の会見で「これまでの韓中供給網協力調整対話体と供給網ホットラインもさらに積極的に稼動していくことにした」と話した。
韓国外国語大学国際地域大学院のカン・ジュンヨン教授は「中国もまた、韓国ほど供給網協力が切実なため今回の会談では経済・社会分野の協力を積極的に話し合ったとみられる。事前モニタリングにより両国が供給網を安定的に管理するチャンネルが作られたという意味がある」と話した。
このほか両国は13年にわたり中断していた韓中投資協力委員会を再稼働し、韓中自由貿易協定(FTA)第2段階の交渉を再開することにした。韓中FTAは2015年12月にすでに発効された状態で、当初はサービス・投資分野の追加市場開放に向けた第2段階の後続交渉を進めることにしていたが遅れている状態だった。これと関連し金次長は「これまで推進された商品貿易分野の市場開放を超えサービス分野、特に文化・観光・法律分野に至るまで交流と開放を拡大する議論を継続することにした」と説明した。
2024/05/27 07:14
https://japanese.joins.com/JArticle/319105