ロボットも結局は「関節」で決まる。人のように歩行し、握り、バランスを取るヒューマノイドロボット競争の勝負どころに「関節(アクチュエーター・actuator)」が急浮上している。精密な関節制御性能が製品の完成度と商用化の競争力を左右するということだ。大企業が先を競って同分野に参入している理由だ。
◆サムスン・現代車・LG「関節技術の確保を」
ヒューマノイドロボット市場が本格的な成長局面に入り、大企業もアクチュエーター産業進出を急いでいる。アクチュエーターはモーターと減速機、制御装置、センサーなどを結合し、回転と直線運動を作り出す駆動装置だ。力の大きさと速度、動きの角度を随時制御し、ロボットの指と腕と脚を正確に動かす。
ロボットが賢くなるほどロボット1台に必要なアクチュエーター数も増える傾向だ。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は昨年11月、「今後販売されるロボットは50個以上のアクチュエーターを搭載した極度に複雑な構造」とし「人間を超えるレベルの精密度で外科医師の役割まで遂行できるだろう」と明らかにした。2022年にテスラがアクチュエーター28個を適用したヒューマノイドロボット「Optimus」を公開したが、関節の数が倍に増えたということだ。
韓国大企業も技術の内在化に速度を出している。米国「消費者家電ショー(CES2026)」で家庭用ロボット「クロイド」を公開したLGエレクトロニクスは、ロボット用アクチュエーターブランド「アクシウム」を新たに始めた。クロイドだけでなく外部企業の受注まで念頭に置いて、生活家電(HS)事業本部傘下の部品ソリューション事業部で来年の発表を目標に開発している。数十年間にわたり家電事業で蓄積したモーター耐久性設計ノウハウと大量量産経験をロボットアクチュエーターに拡張するという戦略だ。
現代モービスはすでに現代車グループ系列会社ボストン・ダイナミクスのアクチュエーター供給会社に選定され、ヒューマノイドロボット「アトラス」のサプライチェーンに合流した。2028年にアトラス3万台を量産する日程に先立ち、現代モービスが保有する大規模生産経験と品質管理力を積極的に活用するという構想だ。超精密部品製造ノウハウを蓄積してきたサムスン電機もノルウェーの超小型高性能電気モーター企業アルバ(Alva)インダストリーズに投資し、アクチュエーター産業に進出した。
その間、中小企業とスタートアップ中心だったアクチュエーター産業に大企業が参入した理由は収益性と成長性が高いからだ。電子業界のある関係者は「関節の構成により多様なアクチュエーターが必要であるだけに、多品種少量生産環境でも品質を安定的に維持できる大企業の製造力が強みになる可能性がある」と話した。
収益性もかなり高い。英市場調査会社インタラクトアナリシスはヒューマノイドロボット製造コスト(BOM)でアクチュエーターが占める比率を30~50%と推算した。業界では60%弱という見方もある。成長も速い。市場調査会社バリューエイツはグローバルヒューマノイド用アクチュエーター市場が2024年の1億5000万ドル(約230億円)から2031年には98億6000万ドルに急増すると予想した。年平均成長率が約80%ということだ。
◆中国排除のロボットサプライチェーン…韓国に機会
米ロボットサプライチェーンで中国が排除される流れも韓国には機会だ。米政治メディアのポリティコは複数の消息筋を引用し、米政府がロボット産業規制に関する行政命令の年内発動を検討していると伝えた。KB証券のカン・ソンジン研究員は「中国を排除したサプライチェーンを要求する動きが広がる中、ヒューマノイドロボットの需要が急増し、単一供給者体系では物量に対応できない状況」とし「複数の供給者を同時に探す流れが目立つ」と説明した。
ただ、前途は遠いという評価が出ている。韓国貿易協会は今年1月、韓国ロボット素材・部品の国産化率が40%台にとどまっていると指摘した。実際、CES2026で公開された現代車グループ「アトラス」とLGエレクトロニクスの「クロイド」試作品にも外国産アクチュエーターが適用された。グローバルアクチュエーター市場ではハーモニック・ドライブ・システムズ(日本)、ナブテスコ(日本)、マクソンモータ(スイス)、ヴィッテンシュタイン(ドイツ)などが主要企業に挙がる。ユアンタ証券のクォン・ミョンジュン研究員は「国内ロボット市場が成長するにはアクチュエーター企業の独自の競争力強化とロボットメーカーとの協力拡大が必須」と話した。
2026/02/18 10:06
https://japanese.joins.com/JArticle/344973